「諒」の意味?悪い意味を持つ名前には向かない漢字なのか
諒という字は人気の漢字
A: 「諒」の字は「明確に表現する」という意味で、悪い意味はありません。
「諒闇(喪に服すこと)」という熟語があるせいかネガティブな印象を持つ人がいますが、字自体には悪い意味はなく、「はっきりわかるように表現すること」という意味です。
漢字は絵の組み合わせで見てはじめて意味がわかる
漢字については、私たちは学校では〇〇ヘンとか〇〇カンムリと呼ばれる部分の意味しか教えられていませんが、漢字の多くは複数の絵の組み合わせですから、それらの絵のもつ意味をすべて知ったとき、はじめて漢字の成り立ち、意味がわかるのです。諒の字に悪い意味は無い
京は高い建造物を描いた絵で、そこに人が大勢集まって来ることから「みやこ」という意味で使われてきました。 また高い建物であることから「見えやすい」という意味でも使われ、他の漢字も作られています。景(はっきり見える)、憬(はっきり心に描く)、鯨(図体の大きいくじら)、掠(堂々と奪う)などの字です。
すなわち諒の字も言と京を合わせ、「はっきりわかるように表現すること」を意味します。
「諒」の熟語から字の意味を考えると間違える
このように字の成り立ちを見れば、諒の字そのものに悪い意味など無いことは明らかなのですが、諒の字は「悪い意味があるから名前に向かない」というようなことが言われたりするのです。それは諒闇(喪に服すこと)という熟語があるためです。 このような逆思考による誤解というのが世の中にはよくあります。上に述べましたように漢字というのは絵の組み合わせによって意味が表現されたものであり、その漢字をさらに組み合わせて別の意味を表現したのが熟語です。
つまり絵から漢字、漢字から熟語が作られ、その順序で意味が生じているのであって、良い意味の熟語ならそれぞれの漢字も良い意味だとか、悪い意味の熟語があるからそれぞれの字の意味が悪いのだ、と思うと逆思考になって間違えます。
わかりやすい例で言えば、未来という熟語は一般に良い意味で使われていますが、だから未の字が無条件に良い意味だとは言い切れないのです。未の字は木の細かい枝を描いたもので、「細かい」「見えにくい」「完成しない」などの意味ももっています。ですから未来、未踏など良い意味の熟語もありますが、他の漢字との組み合わせによって、未練、未熟、未解決などという否定的なイメージの熟語も作られているわけです。
諒の字も、諒闇という暗いイメージの熟語があるから諒の字が悪い意味なのだとか、名前に向かない字だと考えるのは間違いです。
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