以前、耐震強度偽装事件が明るみに出て大きな社会問題となった後、新築マンションの建設予定地の周辺に住む人たちの不安がかなり増大した時期がありました。
当時、マンション建設前における近隣説明などを担当していた知り合いの話では、建築確認申請を出す前の段階で「隣に新しいマンションを建てられて、その構造が弱かったら怖い」と発言された住民の方(隣地の築5年ほどのマンションにお住まいの方)もいらっしゃったそうです。
しかし、冷静に考えてみれば逆ですね。事件後に建てられるマンションはかなり慎重に工事がされるはずで、手抜き工事などが心配なのは、むしろその住民の方がお住まいのマンションのほうだったでしょう。
それはともかくとして、マンションの建設をめぐっては以前から周辺住民による反対運動があちこちで繰り返されています。日照の問題をはじめとして、景観や住環境の悪化などを真剣に心配されている周辺住民の方も多いだろうと考えられます。
ところが、ある大手ゼネコンの担当者から聞いた話では、マンションの建設反対運動を “生き甲斐” にして、各地を転々としながら地域住民を扇動しているような人もいるのだそうです。
また、わざわざマンション建設現場の隣のアパートなどへ次から次へと移り住んで、「○○マンションのときは迷惑料を○百万円もらった」「△△不動産は△十万円くれた」などと吹聴している人の存在も聞いたことがあります。
ゼネコンやデベロッパー側もその存在に気付きながら、知らん顔をするしかないケースもあるようですが……。住民は真剣な気持ちで反対運動に加わっているのに、その中心人物は別の意図を持っているという場合もあるでしょう。
さまざまな思惑が入り混じったマンションの建設反対運動ですから、真摯に反対をする人がいても、デベロッパー側の対応が冷たくなりがちな面も否定できません。
それが原因となって、新築マンションの購入者にいじわるをされても困るわけですが、マンションの原価にはこのような対策費用も含まれているのです。
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(この記事は2007年4月公開の「不動産百考 vol.10」をもとに再構成したものです)
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