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不動産取引で厄介な「ある一定の人」たち

住宅を選ぶときには周辺の生活環境も大切な要素ですが、なかなか厄介なのは人の問題です。事前の調査では分からないこと、購入してから新たに生じる問題などもあるでしょう。「ある一定の人」についても注意が欠かせません。(2017年改訂版、初出:2016年5月)

執筆者:平野 雅之


「ある一定の人」が住宅街で拳銃の発砲事件などを起こすことがあります。過激な行動に出るのは一部の人だけなのかもしれませんが、対立する相手との抗争が激化したときは問題が起こりやすいでしょう。

これから購入しようとする物件の近くに標的となるような人が住んでいると困ってしまうのですが、不動産業者による契約前の物件調査などでそのような事実が判明することは、残念ながら少ないのが実情だといわざるをえません。

売主や近所の人に聞いても、周りに住む人の素性を知らないことが多く、また仮に知っていたとしても教えてくれないケースがあるようです。

明らかにそのような人だと分かっているときは別として、ただ単に外見上で「怖いイメージのおじさん」という程度だと、逆に名誉毀損やプライバシー侵害だといわれかねないため、他人のことを話すのに躊躇する場合もあるでしょう。

個人宅ではなく、そのような人たちの「事務所」であれば比較的分かりやすいのですが……。

購入しようとするマンションの同じ棟内、あるいはマンションや一戸建て住宅の近くにそのような人たちの「事務所」などがあることを不動産業者が知ったときには、重要事項説明書のなかにその説明を盛り込むことが原則です。

しかし、「○○○」とそのものずばりの呼称や団体名を書くと、当事者からクレームが入ることもあるとのこと。そのため、重要事項説明書には「ある一定の人の事務所」などと記載したうえで、具体的な説明は口頭で済ませるケースもあるようです。

そのようなときに説明を上の空で聞いていると、予想外の事態に巻き込まれることがあるかもしれません。

その一方で、何年か前には大阪で隣家が新築された腹いせに、自分が出した尿を169回もまいた男が逮捕されたという事件もありました。こんな男や、かつて話題になった「騒音おばさん」のような人が近くに住んでいても困ってしまいます。

ところが、このような問題は住宅を購入した後に起きることもあり、それを未然に防ぐことは困難です。人に関わる問題はなかなか厄介ですね。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2007年9月公開の「不動産百考 vol.15」をもとに再構成したものです)


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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