100%チャイルドレイバーフリーのチョコレートの誕生
東京・大阪に拠点を持つチョコレート専門店「ショコラティエ パレ ド オール」で、100%チャイルドレイバーフリー(児童労働のない)カカオを使用したビーントゥバーチョコレートのシリーズが、2016年9月22日から販売開始となりました。 チャイルドレイバーフリー、という言葉に、初めて触れる方も多いかもしれませんね。チャイルドレイバーフリー(Child Labor Free)というのは、子どもが労働していない、児童労働のない、という意味です。このチョコレートは、チャイルドレイバーフリーのカカオ豆つまり、子どもが一切労働をしていない農家で栽培され、収穫されたカカオ100%で作られています。
チョコレートの原材料であるカカオ。その生産農家が、日常的にモニタリングする仕組みを作ることで、児童労働がないことを保証し、このチョコレートを買うことで、消費者が継続的にカカオの生産地を支援できる形となっている。こういう例は世界でも類がなく、日本が先駆けです。
カカオ農家でのチャイルドレイバー(児童労働)の実情
チョコレートの原料である、カカオ豆は、赤道から南北緯約20度のエリアにある、西アフリカや中南米をはじめとした地域で栽培されています。カカオ生産地の農家では、国やエリアによっては、子どもたちが学校へ通うこともできず、危険で過酷な労働を強いられているケースがあります。 子どもたちは教育を受けられず、労働力として使われます。 幸せな気持ちを運んでくれるはずのチョコレート。なのにその向こうにあるカカオの生産地で、子どもたちが未来を奪われ、苦しんでいるなんて……。チョコレートが子どもの頃から大好きな私は、2008年頃にこの現実を知り、衝撃を受けました。
ガーナへ赴き、児童労働をなくす活動を続けていた、認定NPO法人「ACE」の白木朋子さんと出会ったのは2011年のはじめ。リアルな話を伺い、写真や映像を目にするたびに、私は、心がぎゅうっと締め付けられるように痛みました。
以来、私はこう考えるようになりました。カカオ生産農家から、私たち消費者まで、チョコレートに関わる全員が幸せな、しかもとびきり美味しいチョコレートが世界に増えてほしい。そしていつかそれが当たり前になってほしい。
カカオ農家の子どもたちを応援できる、幸せなチョコレート
今回発売となった「ガーナスマイルカカオ プレミアム」シリーズのチョコレートは、その夢のための、第一歩となりました。チョコレートに使用されるカカオ豆が、100%、日本の認定NPO法人「ACE」の活動の成果として、児童労働がゼロになった村で収穫された、チャイルドレイバーフリーのカカオなのです。 この幸せなカカオ豆を使ったチョコレート作りを引き受けたのが、チョコレート専門店「ショコラティエ パレ ド オール」の三枝俊介シェフ。グルメな方を満足させる味わいが目標です。 さらにうれしい特徴は、チョコレートを買うと購入代金のうち、200円がカカオ農家の子どもたちが学校に行けるようになるための支援金となること。
そうなんです。想像してみてください!
ガーナで学校に通う子どもたちの笑顔!「画像提供:ACE」
ガーナ スマイル カカオ プレミアム ビーントゥバー
チョコレートは、2種類。チョコレートバーとボンボンショコラのセットがあります。 こちらはタブレット(板チョコレート)。どんな方に差し上げても喜ばれそうな、マイルドで心地よい風味のチョコレートです。カカオ分は65%、コーヒーの余韻のような、上品なビター感を湛えています。 ガーナ産カカオを使っているチョコレートはいくつかあっても、ガーナのカカオ豆の風味を前面に出したシングルオリジン(単一地域)のチョコレートは意外と少ないと思いますよ。カカオ豆の段階から全工程を個人が手掛ける「ビーントゥバーチョコレート」は、手間がかかる分、一般的に高価ですが、パレドオールのアトリエは衛生管理の基準が非常に高く、安全、そして国産。この価格は適正で、良心的だと思います。
ガーナ スマイル カカオ プレミアム ボンボンショコラ
ボンボンショコラ4個入りのセットがまたまた素敵! チャイルドレイバーフリーカカオ100%のチョコレートを、ボンボンショコラ2種類に仕上げています。ビターとミルクのガナッシュは、まるでキャラメルのような香り、そしてなめらかな口どけです。 ミルクは、ガーナの国旗のカラーを基にしたオリジナルデザイン。ビターのデザインも、よく見ると、ガーナの国旗がモチーフになっていて美しいです。2種類ともに、パッケージに、ガーナの輝く太陽を思わせるようなオレンジ色が使われていますが、これは、ガーナの公立学校の制服の色とお揃いです。ギフトにふさわしい明るいカラーが魅力的ですね。
国連が目指す「児童労働のない世界」
いま、世界的に児童労働をなくす、チャイルドレイバーフリーに関わる活動に注目が集まっています。2014年には、30年以上世界の児童労働問題の解決に取り組んできた、カイラシュ・サティヤルティ氏がノーベル平和賞受賞者を受賞しました。 また、 昨年9月に国連が発表した「持続可能な開発目標」の中に、「児童労働(チャイルドレイバー)」があげられています。
「2025年までに世界中の子どもの労働をなくすこと」
「すべての子どもたちに質の高い教育を保証すること」
これは、国連が掲げている目標です。
持続可能なサイクルを美味しいチョコレートで実現
お店に並んでいたら、一見普通のお洒落なチョコレート。でも「ガーナスマイルカカオ プレミアム」は、実はチョコレートを愛する様々な立場の方が集まり、価値のある流れを作りあげています。- ガーナへ赴き、カカオ農家の児童労働をなくすべく活動をする団体(NPO法人「ACE」のみなさん)
↓ - 活動地域で収穫された児童労働のないカカオ豆を、日本に輸入するために尽力する会社(立花商店株式会社のみなさん)
↓ - カカオ豆を美味しいチョコレートに仕上げる職人・チョコレートをボンボンショコラなどにするショコラティエのみなさん
↓
4.私たち(消費者)がそのチョコレートを、美味しくいただきましょう!
1~3の次に、4があって、それが1に繋がることで、サイクルになります。
つまり「児童労働のない村のカカオ豆を継続的に購入する」=カカオ農家の支援になる、さらに寄付によって児童労働をなくすための活動資金が集まり、また1のACEの活動を継続させることができるのです。
持続可能といえば、ここも大切なポイントです。美味しいチョコレートだからこそ、継続的に食べたくなる。大切な方にプレゼントもしたくなる。それによって、サイクルが回り続ける。
いかがでしょうか。私はこのチョコレートは始めの一歩。今後もカカオの生産地に配慮した、多くの「美味しい」チョコレートが登場することを願っています。
色々なチョコレートを楽しむのは、素敵なことです。でもみなさん、時には少し、チョコレートの向こう側に目を向けてみてください。そして心にも美味しい、プレミアムなビーントゥバーチョコレートを味わってみましょう。
心で美味しい、と感じること。この幸せを体験してみてください。
●DATA
「ガーナ スマイル カカオ プレミアム ビーントゥバー」
1064円(本体800円+税+寄付金200円)
「ガーナ スマイル カカオ プレミアム ボンボンショコラ」
1496円(本体1200円+税+寄付金200円)
※国際フェアトレード認証を受けたカカオ豆を使用しています。
販売時期: 2016年9月22日(木)~定番として継続販売
取扱店舗:ショコラティエ パレ ド オール 東京店/銀座店/大阪店
アルチザン パレドオール 清里店/青山店/BIS店
オンラインブティックでの購入も可能→「ビーントゥバー」 「ボンボンショコラ」
ショコラティエ パレ ド オールWEBサイト