注文住宅/家づくりを始める前に・心構え・トレンド

良い工務店は「見せる現場」ができている

芸能人がファンによって支えられているのと同じように、企業もファンによって支えられています。こうしたファンをつくるために工務店はどんなことをしているのか、また良い工務店をみつけるにはどこを見ればよいのかをチェックしていきます。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

良い工務店をみつけるには

芸能人がファンによって支えられているのと同じように、企業もファンによって支えられています。ファンとは信者です。愛好者が多ければ商品は売れ企業は安定して経営を進めていくことができます。信者という字をつなげると「儲ける」になるのもうなずけますね。

しかしながらファンをつくることはそう簡単ではありません。特に住まいはほとんどの方が一生に一回しか作らないので、一軒一軒を丁寧につくり評判を重ねていかなければならないのです。

今回は、ファンをつくるために工務店はどんなことをしているのか、また良い工務店をみつけるにはどこを見ればよいのかをチェックしていきます。

良い工務店は、家づくりを自分事として捉えている

小さな工務店でも近年はホームページなどで自社の理念を掲げているところがあります。なかにはすばらしい取り組みをしている会社もあります。

たとえば着工前に現場に関わる工事関係者全員が集まり、建て主と握手をし、工事関係者の顔写真を現場に掲示しているのです。当然連絡先も書いてあるので何か現場で不具合が起きても連絡が取れやすくなります。

家づくりは工務店が施工するといっても全て協力業者によって施工されています。これは公共建築であっても同じです。すべての職人を社員として抱えているわけではないのです。この協力業者をまとめているのが社員である現場監督です。

ただこの現場監督は一般に同時並行して5~8軒の現場を持っていますので、常にその現場にいるとは限りません。また、その現場監督が施工技術や納まりを全て知っているかといえば、経験を積まないと難しいものです。したがって現場は何かとトラブルにもなりやすいのです。

きちんとした工務店は社員の研修会や勉強会も開催しています。さらには地域との関係をつくるため上棟式に餅撒きをしている工務店もあります。これは新しく「そこに住む建て主と近隣住民のつながりをつくるきっかけづくりに」という配慮からです。

家づくりというのは建て主にとっては一回きりの大仕事です。しかし工務店は年に何棟もつくりますからそれ程大仕事ではありません。しかし良い工務店は家づくりを他人事ではなく、自分事として捉えて仕事しているのです。

undefinedundefined

上棟式に近隣住人へ餅撒きをしている様子    


高品質の家とはていねいにつくりあげること

建て主は現場をみる機会があったらまず仮設トイレの中に入ってみて下さい。一般に営業の人が現場に連れて行くとすれば、当然現場内は整理整頓をキレイにしているでしょう。しかし意外とトイレまでは気が回らないかも知れません。特に夏期の仮設トイレはこまめに掃除をしなければ臭いがするので、臭いの無い仮設トイレはよく掃除しているということです。

さらに現場の職人さんには、「こんにちは」「お世話になります」「今日はいい天気ですね」とこの三言を話しかけてみて下さい。きっと職人さんも答えてくれるはずです。そんな時の表情やしぐさからも職人さんの人柄が伝わってくるでしょう。

近年の家づくりは手の技を少なくしシステム化する傾向にあります。もちろん職人不足もありますが、一番はクレームが怖いからです。手の技を活かした住まいにはやはり竣工した際、何とも言えない温か味を感じるものです。

掃除を含めて現場の雰囲気が「魅せる現場」になっているのかどうか、これはにわかにはできないのです。やはり一軒一軒ていねいにつくりあげてきたからこそにじみ出るのです。

高品質の家とは高い価格の設備機器を入れたから出来るのではなく、むしろ職人が自分の家だと思ってていねいにつくりあげることから生まれてくるものです。

良い工務店と出会ってぜひそんな家づくりを楽しんでみて下さい。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます