ふるさと納税は、自分の思いに添った使い道を

ふるさと納税の魅力とは

ふるさと納税の魅力とは

実質2000円の寄附で、魅力的な「お礼の品」がもらえることがある制度として注目を浴び、広く浸透してきた「ふるさと納税」。しかし、本来の意義は、“税金の使い道を自分で選べること”にあります。「お礼の品」だけを基準に選ぶだけでなく、自分の思いに添った使い道で寄附先を選ぶことで、より“納得感のある納税”が可能になるはずです。

いったいどんなことができるのか。例えば、被災地への寄附がそのひとつ。4月に発生した熊本地震では、ふるさと納税を通じて、多くの寄附が集まりました。
また、ふるさと納税総合サイトの「ふるさとチョイス」では、クラウドファンディングのシステムを使った「ガバメントクラウドファンディング」として、使い道の透明性を提案。ガバメントクラウドファンディングとは、自治体が抱える様々な課題を解決するための資金を調達すべく、寄附を集う方法です。

例えば、練習場の少ない日本スケート界を救うべく、関西国際空港の近くにスケートリンク場設立を目指したプロジェクト(大阪府泉佐野市)や、引退後の競走馬がセラピーホースや乗用馬として過ごせるためのプロジェクト(岡山県吉備中央町)、11月22日に開館予定のすみだ北斎美術館を支援する東京墨田区のプロジェクトなど、地域ならではの課題や思いが詰まった個性あふれるものがたくさん!

最も寄附を集めたクラウドファンディングとは

なかでも、これまで実施してきたクラウドファンディングのなかで、最も寄附を集めたのが、広島県神石高原町とNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が運営する「ピースワンコ・ジャパン」が協働するプロジェクト「犬の殺処分ゼロ」事業です。

そもそも「犬の殺処分ゼロ」プロジェクトの発端は、2011年に広島県が犬猫の殺処分ワースト1を記録したことに始まります。この実情を憂いた「ピースウィンズ・ジャパン」が、「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトをたちあげ、広島県の犬の殺処分ゼロを目指して「1000日計画」を掲げました。それは、“殺処分が決まった犬たちをすべて引き取るための保護施設を作る”という壮大な計画。14年9月からは、神石高原町のふるさと納税の使い道のひとつとしても選べるようになっていたものの、すべての犬を引き取る施設を作って運営するには、莫大な資金が必要でした。

様々な可能性を模索するなか、「ふるさとチョイス」を企画・運営するトラストバンクの須永珠代代表取締役のもとに話が持ち込まれたのが14年の秋。そこで、担当者から聞いた実情に、須永さんは衝撃を受けます。

「日本では、毎年数万頭という犬が殺処分されており、しかもガス室でものすごく苦しんで死んでいく。そんなことを先進国でやっているのは日本くらいです」

早速、その現状を「ふるさとチョイス」のサイト上で紹介。なかでも、ある1匹の犬のリアルストーリーは、大きな反響を呼びました。

NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の人たちが、殺処分場に訪れたときのことです。そこで出会ったのが、ガス室に入りきれずに残っていた1匹の犬。苦しんで死んでいくほかの犬たちの鳴き声を聞いたその犬は、すっかり怯えてしまい、ぶるぶる震えてお漏らしをしていたほど。ですが、その犬は、NPOの人たちの手で救われ、現在、人命を助ける救助犬として活躍しています。

2014年11月からスタートした神石高原町のガバメントクラウドファンディングは、「ふるさとチョイス」を介して総額約4億5000万円の寄附を集め(2016年7月31日時点)、16年度には広島県内の殺処分ゼロが実現!メディアでも大きく取り上げられました。

2015年度からは、寄附できる上限額がこれまでの約2倍になり、「ワンストップ特例制度」で寄附先が年間5自治体までは確定申告なしで控除が受けられるようになるなど(確定申告が不要な給与所得者に限り、申請書の提出が必要)、ますます利用しやすい環境が整備された「ふるさと納税」。

あらためて、自分らしい「使い道」を検討してみてはいかがでしょうか?

取材協力/ふるさとチョイス
http://www.furusato-tax.jp/

取材・文/西尾英子

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