年金

年金の種類と受け取り方、人によってどう違うの?(3ページ目)

老齢年金には、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類がありますが、将来どの年金を受け取るかは現役時代の年金加入歴で決まります。また、年金額の計算も現役時代の加入期間で変わってくるので、老後の年金を確保するには自分の年金加入歴を把握しておくことが大切です。ここでは、事例を交えて現役時代の加入歴から将来の年金の受け取り方を検証していきます。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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事例で検証~受給できる老齢年金の種類(2)

会社員夫婦でも妻の働き方で将来の年金が異なります

会社員夫婦でも妻の働き方で将来の年金が異なります

【例3】
会社員D介さんは昭和45年4月生まれの40歳です。大学卒業後現在の会社に就職し、このまま定年まで勤務する予定です。妻のE子さんは、昭和49年4月生まれで大学卒業後は子どもが生まれる平成16年3月(30歳)までD介さんと同じ会社に勤務していました。E子さんは、子どもが大きくなったら扶養の範囲で仕事をしようかと考えていますが、正社員として再就職するつもりはありません。D介さんとE子さんの年金加入歴と今後の加入見込みは以下のようになります。
 

 

 

 

夫婦とも受給資格期間を満たし、厚生年金の加入歴があるので、将来は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建ての年金を受給することができます。D介さんは37年分の老齢基礎年金と老齢厚生年金、E子さんは37年分の老齢基礎年金と7年分の老齢厚生年金を受給することになります。また、D介さんは、厚生年金に20年以上加入するので、加給年金が支給されます。
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【例4】
会社員F雄さんと妻G絵さんはともに昭和45年4月生まれの40歳です。2人は大学卒業後民間企業に就職し、定年までずっと共働きを続ける予定です。F雄さんとG絵さんの年金加入歴と今後の加入見込みは以下のようになります。
 

 

 

 

夫婦とも受給資格期間を満たし、厚生年金の加入歴があるので、将来は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建ての年金を受給することができます。2人とも37年分の老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給することになります。また、2人とも厚生年金の加入期間が20年以上になる予定ですが、お互い被扶養配偶者にはなれないので加給年金は支給されません。
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将来の年金、もっと増やすには?

4通りの事例で、将来受給できる老齢年金を予想しましたが、現役時代の働き方によって受給できる年金に違いがでてきます。将来の年金の受給額が最も高くなるのはF雄さんとG絵さんの共働き夫婦でしょう。加給年金は支給されませんが、夫婦とも厚生年金の加入期間が長いので、2人がそれぞれ老齢基礎年金の支給額を上回る老齢厚生年金を受給できるでしょう。

夫婦の例をみると、最も老齢年金の受給額が少なくなりそうなのがフリーランス夫婦のB彦さんとC美さんでしょう。B彦さんもC美さんも厚生年金の加入期間が短いので年金額が少なく、さらに加給年金が支給されません。フリーランスや自営業者には定年がないので長く仕事を続けることができますが、B彦さんとC美さんは比較的年齢が離れていてB彦さん1人が仕事をしているので、老後の保障を公的年金以外に準備しておく方がよいでしょう。

公的年金以外の老後資金の準備として、フリーランスや自営業者にメリットが多いのは国民年金基金です。国民年金基金は掛金・老齢給付とも公的年金と同じ節税効果があり、老齢給付の支給パターンも自分で自由に組み立てることができます(国民年金基金の節税効果と支給パターンの詳細は「給付方法の選択肢が増えた!国民年金基金」をご覧ください)。老齢年金の2階部分である老齢厚生年金の不足を国民年金基金の老齢給付で補うことができます。

昨年度から始まったねんきん定期便の送付により、毎年1回誕生月にねんきん定期便が届きます。今年度送付されるねんきん定期便は、節目年齢(35歳・45歳・58歳)の人を除いて、昨年度よりも簡潔な内容になっていますが、加入実績に応じた直近の年金見込額は全員に案内されます。また、今後の加入歴の予想から年金の見込額を計算する方法が合わせて記載されています。同封されているパンフレットに記入方法が案内されているので1度計算してみると、より具体的な自分の将来の年金額を知ることができます。自分の将来の年金額を確認することで、必要な自助努力も把握することができます。ねんきん定期便も活用して、自分の年金の情報を早めに理解しておきましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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