「妊娠中絶薬」とは何か?日本でも使用できる?

妊娠中絶薬は日本でも使える薬なの?
中絶手術は、費用も時間もかかるから、できれば薬で簡単に済ませたい……と考える女性が少しずつ増えているようです。しかし、安易な薬の利用は大変危険です。今回は、「妊娠中絶薬」について詳しく解説していきましょう。
【目次】
・日本で妊娠中絶薬の処方・販売・譲渡もは禁止
・中絶薬服用後のトラブルに対応できない
・通信販売の中絶薬は本物か?
・「モーニングアフターピル」と妊娠中絶薬の違い
日本では妊娠中絶薬は処方できない。販売や譲渡も禁止

妊娠中絶薬は違法
薬による中絶を望む場合、インターネットで検索すると、「ミフェプリストン」という検索結果に行き着くかもしれませんが、この薬は日本では承認されていないため、医師は処方できませんし、販売や譲渡も禁止されています。
中には通信販売や個人輸入での購入を検討している方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の判断で服薬することは、大変危険な行為です。それはなぜか説明していきます。
中絶薬服用後に「何か」あった時、適切な治療を受けられない
どんな薬にも副作用はつきものですが、当然、妊娠中絶薬でも副作用は起こり得ます。例えば、「ミフェプリストン」の副作用の1つには、出血があげられます。もし、服用後に出血が止まらなくなった場合、未承認の薬によって引き起こされた症状では適切な治療を受けられない恐れもあります。最悪の場合には、受診自体を拒否される可能性もあるため、安易な中絶薬の服用は絶対に避けて下さい。
医師の判断によっては、警察に通報される場合もあるかもしれません。
通信販売の中絶薬を本物かどうか確かめる方法がない
インターネットの通信販売で安易に購入した妊娠中絶薬が、本物であるという保証はどこにもありません。正しく作用しないばかりか、健康被害を与える事さえあります。そもそも販売や譲渡が禁じられた薬ですから、偽造品だったとしても、責任を問うことが難しくなるでしょう。「モーニングアフターピル」と妊娠中絶薬の違い

「モーニングアフターピル」は妊娠中絶薬ではない
「妊娠中絶薬」は、既に子宮内に着床した受精卵を体の外に排出する作用があります。
一方の「モーニングアフターピル」とは、緊急避妊ピルともいい、セックス後72時間以内に服用することで、受精卵の着床を防ぐための薬です。
モーニングアフターピルは、日本では合法なので、クリニックで処方可能です。保険適用外のため、1万5千円程度の負担となるでしょう。
ちなみに、経口避妊薬の「低用量ピル」は、排卵を抑制して子宮内膜の増殖を抑える薬なので、普段から、正しく低用量ピルを服用している方は、モーニングアフターピルが必要になることはありません。
ここまで、妊娠中絶薬について解説してきました。日本では、中絶という選択をする場合、人工妊娠中絶手術以外の方法が認められていません。「手術を受けるお金がない」「手術が怖い」といった理由で妊娠中絶薬を探している女性もいるかもしれませんが、安易な利用は決してしないようにしましょう。
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