妊娠初期の人工中絶手術「2つの方法」

違い

掻把(そうは)法と吸引法の違いとは?

妊娠初期の中絶手術のやり方には、主に掻把法(そうは法)と吸引法の、2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットや、中期中絶の方法について解説していきます。

【目次】
掻把法と吸引法の違い
掻把法のやり方・リスク
吸引法のやり方・リスク
掻把法vs吸引法、手術時間が短いのは?
再手術が必要になるケース
中絶手術の方法は患者が選べる?
中期中絶と初期中絶の違い


掻把法と吸引法の違い

掻把法と吸引法の違いは?

掻把法と吸引法の違いは?

妊娠11週目までの初期中絶手術には、掻把法(そうは法)と吸引法の2つのやり方があります。掻把法と吸引法は、どちらの方法も手術前に子宮けい管を拡張するための処置を行います。多くの場合、膣から「ラミナリア」や「ラミセル」と呼ばれる医療器具挿入します。

2つの手術法で異なるのは、その後。

・掻把法は、器具を使って、子宮の内容物をかき出す
・吸引法は、吸引力のある機械で子宮の内容物を吸い取る

このような違いがあります。それでは詳しく2つの手術の方法やリスクについて掘り下げていきましょう。


掻把法のやり方・リスク

掻把(そうは)法は、日本では人工中絶手術のスタンダードな方法です。鉗子(かんし)と呼ばれる器具で、胎児や胎盤といった子宮の内容物をかきだします。

リスクとしては、めったに起こることではありませんが、医師の技量不足や子宮の状態によって、器具でかき出す際、子宮内に傷を負ったり、穿孔(せんこう)といって子宮に穴が開いてしまうことがあります。


吸引法のやり方・リスク

吸引法では、吸引力のある機械で、胎児や胎盤といった子宮の内容物を吸い取る中絶手術方法です。うまく吸引できれば、出血が少ない方法とも言われていますが、まれに子宮内に胎盤の組織などが残ってしまうケースがあります。

そういった場合、エコーで子宮内の状態を確認した後、子宮に残ったものを掻把するため、再度手術することになります。

2012年に世界保健機構(WHO)が発表した「安全な中絶ガイドライン」では、吸引法が推奨されています。


掻把法vs吸引法、手術時間が短いのはどっち?

2つの手術法に大きな時間差はない

2つの手術法に大きな時間差はない

人工中絶手術の場合、子宮けい管を広げるプロセスに時間がかかりますが、手術は、短時間で行われます。

全身麻酔をかけた後、掻把法は5分~15分。吸引法はスムーズに進めば10分程度で完了するでしょう。吸引法の方が、短時間といわれることもありますが、2つの方法に大きな時間の差はありません。


中絶手術後に再度手術が必要になるケース

掻把法でも吸引法でも、手術後は、エコーで子宮の状態を確認しますが、子宮に残った内容物をうまく確認できずに見落としてしまうケースも想定されます。その場合、1週間経過しても出血が治まる気配がないといった症状が見られます。

どちらの手術を受けたとしても、できるだけ早く「再掻把」(さいそうは)と呼ばれる手術をし、子宮の中をきれいにする必要があります。

 

中絶手術の方法は患者の希望で選べる?

現状では、中絶手術の方法を患者が選ぶことのできる病院は少ないでしょう。吸引法による手術を行っていない病院もありますし、医師の判断により手術法が決定されるケースがほとんどと言っていいでしょう。


中期中絶では、初期中絶と手術法が異なる

中期

12週以降の中期中絶は、母体の負担も大きくなる

母体の生命健康を維持することを目的とした「母体保護法」では、赤ちゃんがこの世に生まれて生命を保続することができるボーダーラインを、妊娠22週としています。妊娠11週目までに行われる手術が初期中絶、12週から21週までの手術が中期中絶です。

初期中絶手術では、これまで解説してきた掻把法や吸引法で行われますが、中期中絶手術は、陣痛を誘発し、分娩する方法で行われます。出産と同じ流れなので、手術時間も長くなりますし、母体の負担も大きくなります。


ここまで妊娠中絶手術の方法やリスクについて解説してきました。掻把法も吸引法も、適切に行われれば、母体の回復スピードに大きな差はありません。
また、12週以降の中期中絶は、母体へのリスクが高く、行っている病院も限定的になります。

どの方法を選択しても、リスクをゼロにすることはできませんが、不安な点は事前に担当の医師によく相談しておくことが大切です。

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