人気ゲームアプリ「ポケモンGO」の“リスク”とは

公式サイトundefinedhttp://www.pokemongo.jp/

公式サイト http://www.pokemongo.jp/

スマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」の日本版が7月22日にリリースを開始しました。先に海外版がリリースされたこともあって、その人気ぶりに日本のゲームユーザーたちは日本版リリースを今か今かと待ち構えていました。しかし、そのリスクについても多くの報道がなされています。ただのゲームがなぜこれほどまで社会を騒がせているのでしょうか。

ポケモンGOってどんなゲーム?

ポケモンGOとは、GPSを利用する位置情報ゲームで、現実の世界を舞台にポケモンの特徴である捕獲・育成・交換・バトルを楽しむことができます。スマホにアプリをダウンロードすると、実際にユーザーがいる近辺の地図が画面に表示されます。ユーザーが移動すると、地図上のキャラクタも同じように移動します。歩き回っているとポケモンが出現し、ユーザーはそれを捕獲、収集していきます。

ゲームとは本来は家に閉じこもってやるものでしたが、家の外に出てプレイするところがこのゲームの最大の特徴であり画期的な点です。ところがこの「外に出てプレイする」という特徴が、これまでのゲームには存在しなかった問題点や危険性をもたらすことにもなっています。

犯罪を誘発、助長するリスク

■女性や子供の深夜徘徊
モンスターを捕獲するには外を歩き回る必要があります。そのため、女性や子供が夜に一人歩きする機会も増加することが予想されます。実際にリリース日の深夜の公園などには多くのユーザーが集まっていたとの情報も寄せられています。

■犯罪目的での誘い出し
ポケモンGOはモンスターを捕獲することがその目的です。そしてゲームではモンスターが出現しやすい場所があります(ユーザーがモンスターをおびき寄せるアイテムを使用することができ、他のユーザーもそれに便乗できる)。当然そこには多くのユーザーが集まります。また、レアモンスターが出現する場所などと吹聴して人気のない場所にユーザーを誘い出すことも可能性として考えられます。つまり、誘拐、強盗、性犯罪など、犯罪目的で人を誘い出すツールとして利用される危険性があるということです。実際にアメリカではユーザーをおびき寄せ、強盗を行うという事例も発生しています。特に、ネットリテラシーの身に付いていない子どもたちには、そうした情報に引っかからないよう親が注意するようにしましょう。

■ストーカー行為に利用される
プレイ画面から位置情報が漏えいする恐れがある

プレイ画面から位置情報が漏えいする恐れがある

ポケモンGOがストーカー行為に利用されるというリスクも存在します。特にSNS上にゲーム画面をアップすることは要注意です。ゲーム中の地図画面をアップすることでユーザーの居住地域などが第三者に把握される危険性があります。

■盗撮の隠れ蓑として利用される
プレイ中のユーザーはスマホを見ながら歩いています。モンスターが出現するとスマホをかざすようにしながらモンスターを捕獲します。そのため、スマホをかざすという行為が正当化される危険性があります。盗撮犯の疑いがあっても、ゲームをしているだけだと開き直られる可能性があるということです。

パケット通信や電池の利用しすぎ

ポケモンGOのプレイ中は常にGPS通信を起動させている状態です。そのためパケット通信と電池の消費が非常に激しくなります。パケット通信を利用しすぎると月末にスマホの通信速度の低下をもたらし、電池不足になると緊急時にスマホを利用できなくなります。パケット通信量に気を配り、モバイルバッテリーを持ち歩くなどして、スマホ本来の使い方ができなくなることは避けるように注意しましょう。

このような注意点だけではなく、その性質上ポケモンGOには以下のような注意点もあります。

ながらスマホの危険性

歩行中にプレイするため、どうしても注意力は散漫になります。近づいてくる自動車や歩行者に衝突する危険性も無視できません。歩きスマホ自体は前からその危険性が指摘されていますが、ポケモンGOでは歩きスマホだけでなく、モンスター発見時に急に立ち止まることによる危険性も指摘されています。

また、足元への注意不足によって転倒したり、電車のホームや階段から転落したりする危険性もあります。アメリカではユーザーが崖から転落して負傷した事例も。街中はもちろん、山道などレジャーでの利用にも注意が必要です。

効率的にポケモンを収集するために、自動車や自転車を運転しながらプレイする人もいますが避けるようにしましょう。

不適切な場所での利用

海外ニュースではユーザーが私有地や軍事施設などの立ち入り禁止区域に侵入してしまった事例も報告されています。ゲームに熱中しすぎて周りが見えなくなってしまう場合もあれば、モンスター欲しさにあえて不法侵入を犯す場合もあると考えられます。

職場や学校内でプレイする例も増えていくと考えられます。中には早々に校内での「ポケモン捕獲禁止」を掲げる学校も。本来の業務や勉学に集中できなくなることを懸念し、禁止を表明する企業や学校は増えていくでしょう。

本来は展示品の鑑賞を目的とする美術館や博物館でも、ポケモンGOをプレイする人が多く現れると考えられます。参拝を目的とする神社仏閣においてポケモンGOをプレイすることも物議を醸しそうです。実際に出雲大社や伊勢神宮では境内でのプレイを禁止する姿勢を見せています。

社会現象であるポケモンGOが社会問題にならないために

ポケモンGOのリスクや危険性を指摘しましたが、もちろんこのゲームに悪い面ばかりがあるわけでありません。引きこもりがちだった人が外に出るきっかけを生むことから、鬱病の改善に役立つことも指摘されています(詳しくは「医師として薦めたくなる『ポケモンGO』5つの健康効果」をご覧ください)し、集客効果を望めることから経済活性化の一助を担うことも期待されています。画期的なツールであるだけに、今後そのメリットデメリットの両方が話題に上っていくと思われます。

その中で現在予想されるこのような問題点にきちんと対処していくためのルール作りも、今後必要になっていきます。特に若年層の利用について、13歳未満は保護者の監督下において安全な環境で利用するために、保護者の同意の上でアカウントを利用できるようになっています。
保護者の同意を求める設定がある

保護者の同意を求める設定がある

ユーザーだけでなく、周りがきちんとリスクを把握することが必要になるということです。また、爆発的な利用者の広まりによって、ポケモンGOを禁止する場所や施設も今後増えていくことと思われ、ユーザーのモラルが試されることとなります。社会現象と言えるゲームなだけに、ひとりひとりのユーザーがルールとマナーを守っていくことで、社会問題とならないように気をつける必要があります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。