節約して支出を減らすことで資産を増やすのも投資行為
節税策や固定費削減のように、今までかかっていた出費が減ることは、資産をより多く手元に残す行為ということであり、有力な投資対象であると言えます。なぜなら、100万円を投下して10万円入ってくることも、100万円を投下して出費が10万円減ることも、資産を増やすという意味では同じ効果を発揮するからです。そこで今回、家庭の中で毎月かかっている固定費を削減する方法について考察してみたいと思います。電化製品や住宅設備の買い替えも効果的
典型的なのは、住宅ローンや保険の見直しです。特に現在は、歴史的な低金利時代ですから、住宅ローンの見直しによって劇的に金利が下がり、毎月の返済額が安くなる可能性があります。私自身も、金利の見直しによって、残った期間の合計で1000万円近い金利コストの削減になりました。しかもかかったのは手間だけでした。もちろん金融機関の担保評価によっては、内入れ(A銀行の3000万円の住宅ローンをB銀行で借り換えるとき、2800万までしか貸せないと言われたら、追加で200万円を払って繰り上げ返済に回すなど)を要求されるかもしれませんが、それはそれで残債を減らすことにもつながるので、悪い話ではないでしょう。
あるいは、電化製品や住宅設備の買い替えも効果的な場合があります。
たとえば、昨今のテレビ、エアコン、冷蔵庫などは、電気代が20年前の機種の半額くらいまで省エネになっているそうです。しかも最新型は便利で快適。また、オール電化にリフォームすれば、ガスの基本料金の分は確実に削減できます。最新のユニットバスは保温効果に優れており、追い炊きの頻度が激減。最新トイレは超節水タイプで、水道代も安い。
私も最近、賃貸マンションから戸建てに引っ越してきて、最新住宅設備の快適さ、省エネレベルの高さに驚いています。ただし、機器本体の値段が高額だとメリットは少ないため、家族が多いなどで水道高熱費が比較的高い家庭なら効果がある可能性が高くなります。
また、戸建てに住んでいる人であれば、屋根に太陽光を付けて余剰電力売電をすれば電気代が安くなりますし、エコキュートやエネファーム、蓄電池を導入して深夜電力契約に切り替えても電気代を削減できることがあります。
特にエネファームや蓄電池は補助金が手厚いですから、これは今のうちと言えるかもしれません。さらには電気自動車用充電設備にも補助金が出ています。
自動車といえば、より燃費性能に優れた車への買い替えも、距離を走る人には維持費のメリットがあります。これなら5年で100万円以上の差になることもあるので、車両価格にもよりますが買い替えるメリットは大きいでしょう。
電気料金と言えば、2016年4月から始まった電力の小売り自由化です。電力会社を変更したり、携帯キャリアのセット割にしたりなど、毎月の電気料金を下げることが可能です。そして携帯キャリアと言えば、ラインナップが充実してきた格安SIMフリー業者への乗り換えです。私も乗り換えましたが、従来は月1万円くらいかかっていた携帯料金が、月3000円くらいまで下がりました。
自分の使い方、使用頻度などによって最適なキャリアやプランは異なるため、確実に安くなるとは限りませんが、これも検討に値すると言えるでしょう。うまく使い分ければ、自宅の固定電話は不要、自宅の固定ネット回線も不要にできるなど、通信費の削減に貢献します。
ここに挙げたものは、もはやご存知の人も多いと思いますが、ほかにもネットで検索すればたくさんの方法が出てきます。いずれにせよ、毎月あるいは毎年かかっている固定費の見直しは、わずか1度の手間で、長期にわたって効用を得ることができる、価値ある投資と言えるのではないでしょうか。
【関連記事】