スタンプ・コインプレゼントに騙される仕組み
一番多いタイプが、スタンプ詐欺とコイン詐欺です。コインはスタンプや着せ替えなどを購入するために必要であり、執筆時点で100コインは240円に相当します。どちらも、「スタンプ(着せ替え)がほしいけれどお金がない」というユーザーを狙ったものです。無料でくれるといいながらくれないタイプの詐欺もありますが、中には実際にくれるタイプの詐欺もあります。有料のスタンプをくれる詐欺とは、どのような仕組みなのでしょうか。
LINEスタンプ詐欺はスタンプをもらえることもあるが注意が必要だ
無料でもらうためには、まずLINEで友だちになります。するとトークを使い、様々な条件を指示されます。例えば「スタンプをもらう前にこのアカウントを○人以上の友達に勧めてね」というパターンの指示が多く見られます。
そのため、LINEのタイムラインなどで「やばい、本当にもらえた! URL~」などの投稿を見ることがありますが、実際はスタンプをもらう前に投稿しているものが多く、まったく信頼できません。逆に、本当にスタンプをプレゼントしているアカウントは、もらった後にキャプチャ付きで投稿させているものもあります。LINEやTwitterで友だちのこのような投稿を見たユーザーが、新たにそのプレゼントアカウントを友だちに追加して詐欺が広がっていくというわけです。
続いて、ある作業を行うよう指示があります。作業にはいくつかのパターンがあります。
○出会い系サイトへの登録
○指定したアプリをダウンロードし、使っているところをキャプチャーして送るともらえる
などです。どれも、URLを開くとアフィリエイトサービスのものであることが多いのです。つまり、アフィリエイトの紹介料を手に入れるためにこのようなアカウントを運営しているというわけです。紹介料は数千円の場合が多く、240円のスタンプ代を支払っても十分に儲かるため、作業の給料としてスタンプなどがもらえるという仕組みなのです。
コインの場合もほぼ同じです。実は現時点でコインをプレゼントする方法はないのですが、「LINEコインプレゼント」とうたっているアカウントが存在したり、そのようなチェーンメールまがいの投稿が回ってくることがあります。完全に詐欺なのですが、騙される子も少なくありません。
なお、そのようなプレゼントアカウントは、散々友達を増やした後にアカウント名をたとえば「LINEスタンプ無料プレゼント」から「るきあ」のように変えます。LINEスタンププレゼントアカウントだったのに、知らん振りして一般ユーザーになりすましていたりするのです。
スタンプ・コイン詐欺のリスクとは
騙されてしまうのは、可処分所得がなく可処分時間はある小中高校生が多めです。大人なら「そんなうまい話はない」「きっと裏があるに違いない」と疑うようなことも、安易に騙されてしまう傾向にあるためです。子どもが詐欺にひっかかってしまった場合、どのようなリスクが考えられるでしょうか。まず、そのような業者を友達にすること自体にリスクがあるでしょう。LINEでは友達になるだけで通話やトークなどもできてしまいます。その上、タイムライン上の投稿なども制限しなければ見られてしまうため、個人情報流出の危険もあります。もちろん、友達を詐欺に巻き込むリスクもあります。拡散することで詐欺の片棒を担ぐことになるので注意が必要です。
このように、スタンプやコインをもらえることもありますが、もらえないことも多くあります。友だちになることで上記のような様々なリスクもあります。目先のスタンプやコインに騙されて詐欺の手助けをすることがないよう、子どもたちにはアドバイスしてあげてください。