第3号被保険者の特徴
結婚後、女性は公的年金の種別が変わり、手続きが必要な場合があります
第3号被保険者は保険料の負担がありませんが、納付済扱いとなるため、自営業者等である第1号被保険者と同じように老齢基礎年金を受け取ることができます。これは、第2号被保険者である配偶者が負担する厚生年金保険料と会社が負担する厚生年金保険料を合算して厚生年金制度に納めた後、厚生年金制度は第2号被保険者と第3号被保険者の国民年金保険料負担分を合算し、「基礎年金拠出金」として国民年金制度に拠出しているためです。
種別変更と国民年金基金の関係
国民年金の第3号被保険者であっても、パートタイマーなど扶養の範囲内(年収130万円未満)で働いていた場合、その後、より長い時間働くなどしてパートから正社員になれば当然、厚生年金保険の加入者(国民年金では第2号被保険者)となります。一方で、自分でお店を始めるなど、個人事業主として働く場合で扶養の範囲を超えるときは、第3号被保険者から外れ、第1号被保険者となります。そのときは、市区町村にて「種別変更」といわれる手続きが必要です。なお、夫が会社員で厚生年金に加入しており、妻がその扶養に入って国民年金の第3号被保険者である場合で、夫が会社を退職し、その後自営業になったりした場合については、夫も妻も第1号被保険者に変わります。このような場合にも市区町村にて「種別変更」手続きが必要です。以下は「国民年金の種別変更の例」の一覧表になります。
国民年金第3号被保険者から第1号被保険者に種別変更した場合は、老齢基礎年金の上乗せ年金である国民年金基金にも加入することができるようになります。つまり、自分自身の老齢年金に厚みを持たせることができます。また、妻を扶養にいれている夫が会社を退職した場合には、夫は厚生年金の対象ではなくなるため、自分で老齢基礎年金の上乗せを考えなくてはなりません。また、その妻についても、国民年金第3号被保険者から第1号被保険者に変わりますので、これまでは自分で納付しなくてよかった国民年金の保険料(第1号被保険者の保険料)を納める必要がでてきます。その際、世帯で考えて、老後にゆとりを持たせるために、妻についても国民年金基金への加入などを検討してみるのもよいでしょう。
高齢化が進み、生産年齢人口が減少していく日本においては、社会保障の支え手を増やすためにも、女性が継続して就労することがきわめて重要となっています。また、ワークスタイルの多様化により、会社員としてだけでなく個人事業主などさまざまな働き方をする女性が増えています。働くことで、将来における自分の年金は自分で増やすという考え方は今後より重要となっていくでしょう。ただし、公的年金制度は働き方等によって加入する制度や種別が変わります。自分が加入している年金制度や種別によってどのような年金の増やし方があるのか、早めの情報収集をきちんとしておくことがポイントとなるでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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