仕事と家庭の両立支援と年金制度

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仕事と家庭の両立、特に育児との両立を支える制度が公的年金にもあります

どのような働き方をするとしても、女性が活き活きと働き活躍するためには、ライフイベントの変化があった場合でも、継続して働くことができることが重要になります。また、年金制度との関連で言えば、2014年に行われた公的年金の財政検証においても、「女性や高齢者が安心して働ける環境整備を進め、労働参加を促進していくことが、年金制度の持続可能性を高め、給付水準の確保を図る上でも重要であるといえる」と指摘されています。年金制度を含めた社会保障制度の支え手を増やすという観点からも、どのような働き方を選択しても安心して働くことができる環境を作っていくことが今後さらに求められます。

現在、仕事と家庭の両立支援はさまざまな形で行われています。法律で整備されているもの、職場での働き方や環境改善を求めるもの、保育所など地域での支援を伴うものなどです。その中で、法律で整備されているものの中で、経済的な支援として実施されているものには、年金制度も含まれています。みていきましょう。

1.育児休業期間中の社会保険料免除
厚生年金保険や健康保険といった社会保険の保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けて算出されるため、休業中で賃金の支払いがなくても保険料が発生します。そこで、育児期間中の経済的負担を軽減するため、事業主が手続きをすれば、その保険料が免除される特例があります。免除される期間は、育児休業等を開始した日が含まれる月から終了した日の翌日が含まれる月の前月までの期間です。なお、育児休業中の厚生年金保険料の免除を受けても、その期間分の厚生年金保険料も将来の年金額に反映されます。

また、平成26年4月からは産前産後休業期間中の厚生年金保険料も免除されるようになりました。なお、自営業者についても、国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除を含めた改正法案が今年の3月に国会に提出されています(現在、国会閉会により審議継続)。

2.育児休業等終了後の保険料改定
育児休業等を終了して復帰した後(育児休業等終了日において3歳に満たない子を養育する場合に限ります)に、短時間勤務等の理由により給与が低下してしまう場合があります。その際、次の保険料改定(標準報酬月額の改定)の時期を待たずに、給与にあった保険料(厚生年金保険料・健康保険料)に改定され、復帰後の経済的負担も軽くなる制度があります。なお、標準報酬月額とは、健康保険と厚生年金保険で使用される給与月額を区切りのよい幅で区分したもので、保険料算定や年金額算定の基となるものになります。

3.厚生年金保険の年金額計算の特例
さらに厚生年金保険には将来の年金額を計算するうえでの特例制度があります。
3歳未満の子を養育する人で養育期間中の各月の給与(標準報酬月額)が、養育を始めた月の前月と比べて低下した期間については、将来受け取ることになる年金額の計算に際して、子の養育を始めた月の前月の給与(標準報酬月額)を養育期間の給与(標準報酬月額)とみなします。養育期間は、子が3歳に達するまでの期間とされていますが、子育て期間の給与低下が将来の厚生年金の額で不利にならない仕組みとなっています。

育児休業

※育児休業等終了後の社会保険料の改定と年金額計算の特例 のイメージ図,クリックすると拡大します。