個人賠償責任特約はどんなときに役に立つ?
日常生活での思わぬ事故に役立つ、個人賠償責任特約とは
この特約は、例えば次のような場合に役立ちます。
- 自転車で走行中、歩行者にぶつかりケガをさせてしまった
- ゴルフのプレー中に、打ったボールが他人にあたりケガをさせてしまった
- マンションで洗濯機から水が溢れて、下の階の部屋に損害を与えてしまった
- デパートで買い物中に、誤って高価な食器を割ってしまった
- 子どもがキャッチボールをしていて、他人の家の窓ガラスを割ってしまった
- 散歩中に飼い犬が他人を噛んで、ケガをさせてしまった
なお、同特約は保険会社により個人賠償責任補償特約、日常生活賠償責任補償特約、日常事故賠償責任補償特約など名称が異なることがありますので、注意してください。この記事では個人賠償責任特約で統一します。
個人賠償責任特約の対象となる人は?
この特約は加入した本人だけでなく、通常は次の人が対象となります。- 本人
- 配偶者
- 本人または配偶者と生計を共にする同居の親族
- 本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子(例えば仕送りを受けている学生など)
個人賠償責任特約の補償額の目安は?
個人賠償責任特約の補償額を考えるとき、特に意識したいのは自転車事故です。次のような高額の賠償事例があります。■賠償額9,521万円 (神戸地方裁判所、2013年7月判決)
小学生が自転車走行中、歩行中の女性と衝突。女性は頭蓋骨骨折などで意識が戻らない状態に。
■賠償額9,266万円 (東京地方裁判所、2008年6月判決)
高校生が車道を斜めに横断し、自転車で直進してきた男性と衝突。男性に重大な障害が残った。
■賠償額6,779万円 (東京地方裁判所、2003年9月判決)
男性が自転車で走行中、横断歩道を横断中の女性と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。
こうした事例から、補償額は1億円を確保したいものです。保険金額1億円を限度とする保険会社が多いですが、3億円や無制限とする保険会社もあります。保険料は保険金額1億円でも年間数千円程度で、保険金額を下げて設定しても保険料の差額はわずかです。心配のない金額にしておくことをお勧めします。
示談交渉サービスの有無を確認しよう
損害賠償事故には加害者と被害者がいます。当事者同士では感情的になることもあるでしょう。冷静に話し合いを行い、示談交渉を進めるのは簡単なことではありません。最近では、損害賠償請求を受けたときに保険会社が示談交渉を行ってくれる、示談交渉サービスがついた個人賠償責任特約が主流になってきています。サービスがついていない同特約もありますので、有無は必ず確認しましょう。
次のページでは、個人賠償責任特約をつけるときの注意点をチェックしていきます。