自分たちも共倒れにならないよう支援するには……?
遠くに住む家族の医療費が心配です
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)
■相談者
桜さん(仮名)
女性/公務員/57歳
カナダ/持ち家・一戸建て
■家族構成
夫(カナダ人/公務員/57歳)
■相談内容
私はカナダ人の主人と結婚して20数年、ともにカナダの大学で教えています。こちらの生活については、経済的にはそう大きな心配はないのですが、3年前から思いがけず、実家の母と兄の生活を支えることになりました。日本の様子を知らないため、ただただ不安でなりません。
今年85歳になる母は市営住宅に住み、月16万円(手取り額)の年金生活です。3年前にせん妄状態になり、今は回復しましたが、その時カードローンなど150万円余りが発覚、娘の私がすべて精算しました。その後、成年後見人を申し立て、今は司法書士さんが2週間ごと母に2万5000円生活費を渡してくれています。母からは300万円の死亡保障保険に入っていると聞いていましたが、調べてみると解約して解約金も使い果たし、貯金もなく、国民保険しか入っていません。
61歳で統合失調症の兄は、賃貸アパートで母とは別に暮らしています。この4月から月13万円ほどの障害年金の他、企業年金が毎月3万円ほど入るそうです。兄は自分で金銭管理をしていますが、家賃(5万円)以外はあるだけ使ってしまい、当然貯金もなく、国民健康保険にしか入っていません。
母の家系は長寿で元気なのでもう10年は大丈夫そうです。兄は肝臓を患い、今は完治していますが、78歳くらいまで生きれば良い方だと思います。
私は、現在の職場にリタイア年齢制限はないのですが、できれば65歳でリタイアしたいと思います。しかし今後、母や兄が入院したら、どの程度の医療費を予想したらよいのか。あるいは、彼らの年金に見合った老人ホームに入れたとしても何らかの金銭負担(例えばオムツ代など)があるのか、そのために資金をどう見積もっていれば良いのか、わからないのです。
また、母と兄のそれぞれの死後の事務も私が背負うことになりますし、墓終いもしなければなりません(父は他界し、兄には子どもはいません)。少しネット検索で調べたところ、死後事務に一人100万円(直葬、遺品整理業者代など)くらいで、墓終いは業者見積で30万円と言われました。そういうこともあり、現在、現在10万円ずつ積み立て(夫はいい顔をしませんが……)、現在200万円になりました。アドバイスをよろしくお願いいたします。
■家計収支データ
■家計収支データ補足
(1)相談者夫婦の定年
大学で教えるのには定年はないが、おそらく65歳以上となると疲れて教えられなくなるのでは(カナダ人大学生を教えるのは体力も忍耐もかなり使うため)とのこと。ちなみに退職金制度はない。
(2)日本に所有するマンションについて
投資用ではなく、あくまで自分たち用。現在は年1、2回の帰国の際に利用。定年後は年の半分をカナダと日本で過ごす予定。したがって、賃貸の予定もない。小さ目の1LDKで、毎月の管理費+修繕積立金=4000円。相談者は、夫が先に亡くなったら、カナダの家を売って日本に永久帰国を希望しているため、そのための老後用のマンションでもある。ローンはあと4年で完済。
(3)投資について
日本の株式に10%、カナダの株式、投資信託、債券等に90%。義母の代から雇っているカナダのFPに運用を依頼。
(4)夫婦の年金について
投資分から毎月20万円、アメリカで働いていた時(5年間)の年金が毎月3万円、現在の職場の大学から毎月15万円くらい、カナダの国民保険が5万円くらいの予定(全部、夫婦での合計額)。ちなみに、医療費については、カナダの場合、歯科以外は無料の上、大学の医療保険に加入(保険料は給与天引き)しているため、何も心配はいらないとのこと。
(5)母と兄への支援
毎月10万円の貯蓄の中から、月1回5000円ずつの食材や、お米は3ヵ月に一度、2袋(4000円)ずつ、さらにお正月には6000円のおせちなどをネットで購入し、それぞれの自宅に送っている。また、誕生日に1万円分のギフト件も送り、年間で年間17万~20万円は使っている。
■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 親の介護は親の資産の範囲内、これが基本
アドバイス2 介護保険のさまざまな支援制度を活用
アドバイス3 成年後見人と十分なコミュニケーションを
アドバイスの詳細はこちら>>