栄養素密度とは

フルーツ

栄養素密度を知っていますか? 条件を決めて栄養素の多さを決める指標です。海外では野菜で検討した例がありますが、日本ではフルーツで検討されました。

「栄養素密度」という言葉を知っていますか? 公衆栄養学の分野ではよく使われる言葉ですが、まだ一般的には知られていない用語だと思います。栄養素密度は「栄養素充足率スコア」とも言われます。密度・充足率という言葉の通り、一定のエネルギーを摂取するごとにどれだけの栄養素を摂取できるかを評価する考え方です。いろいろな評価方法があります。それぞれの食品の100kcalの量で1日の食事摂取基の何%を満たすことができるのかを評価する方法もあります。この方法でカルシウムを計算すると牛乳が80.9%とダントツ首位です。そのため、牛乳の栄養素密度が高いと評価されることもあります。

海外では野菜で検討した例も……

2014年には「タンパク質」「食物繊維」「カルシウム」「鉄」「亜鉛」「カリウム」「チアミン(ビタミンB1)」「リボフラビン(ビタミンB2)」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「ナイアシン」「葉酸」「ビタミンC」「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンE」「ビタミンK」の17種類の栄養素の100kcalあたりの含有量から計算した結果がアメリカで発表されています(Jennifer Di Noia,:Defining Powerhouse Fruits and Vegetables: A Nutrient Density Approach CDC 2014)。これによると、最も栄養素密度が高いのはクレソン、次に、白菜、フダンソウと続くそうです。これは100kcalあたりで計算しています。

1位に輝いたことでクレソンが脚光を浴びていますが、クレソンは添え物として皿に乗っている量が約3~5g。1kcalあるかどうかといったところ。100kcalを摂取しようとすると約666gを食べる必要があります。添え物のクレソンをそんなにたくさんは食べられそうにありませんので、栄養素密度の評価には注意が必要かもしれません。

栄養素密度はフルーツ選びの新基準?

日本では、可食部100gに含まれる17種類の栄養素が日本人の食事摂取基準(2015年版)の1日の摂取基準に対して何%含まれているかを計算し、その平均値を計算した指標があります。この指標では数字が大きくなるほどに同じ量(100g)を食べたときにビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が多くなります。

17種類の栄養素とは、「たんぱく質」「食物繊維」「カルシウム」「鉄」「マグネシウム」「カリウム」「亜鉛」「ビタミンC」「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ナイアシン」「パントテン酸」「ビタミンB6」「葉酸」「ビタミンB12」「ビタミンA」「ビタミンE」です。

この指標は上記の米国での指標と単純比較をすることはできません。基準が米国では100kcalで、日本の指標は100gです。また検討している栄養素も日本の指標はビタミンDとビタミンKが入っておらず、マグネシウムとパントテン酸が入っています。さらに、アメリカの食事ガイドラインではなく、日本の食事摂取基準の成人女性の数字を用いています。この結果は果物だけを対象としていますので、情報としては少し物足りないようにも思いますが、果物を選ぶときの参考にはなると思います。

栄養素密度の高いフルーツは何か?

栄養素密度の高い順に並べてみましょう。
栄養素密度の表

栄養素密度の高さの表(データ:ゼスプリインターナショナルジャパン株式会社)

同じ100gを食べるならキウイフルーツの栄養素密度が高いということです。キウイフルーツ(緑肉種)100gは53kcal。りんご(皮むき)100gは57kcalです。
キウイの栄養価

 

他にも主要な栄養素を抜き出しましたが、「健康によい」というイメージのつよいりんごのよりもキウイフルーツのほうがビタミンやミネラルを多く含んでいることが分かります。とくに、りんごは「食物繊維たっぷり!」と称されることも多いのに、キウイフルーツ(緑肉種)はりんごの2倍近くの食物繊維を含んでいます。「栄養素密度」が高いということはこういうことを意味するのですね。

ただし、キウイフルーツは日本では冬の時期に採れますが、主な生産地であるニュージーランドは日本と季節が逆になります。そのため、日本では夏の時期に輸入のキウイフルーツのみがスーパーに並びます。そのため、キウイフルーツは一年を通して、安価で供給できるのです。

緑のキウイと黄色のキウイの栄養素は違う?

緑と黄色のキウイフルーツ

緑と黄色のキウイフルーツ。色だけでなく持っている栄養素に違いがあるようです。

キウイフルーツ(緑肉種)とわざわざ書いているのはなぜだろう? と不思議に思った人もいるかもしれません。実はキウイフルーツには大きく分けて緑色(緑肉種)と黄色(黄肉種)があります。今まで、日本でキウイフルーツといえば緑色が主流だったため、従来の「「日本食品標準成分表2010」ではキウイフルーツは1種類のみの記載でした。昨年(2015年)12月に改定になった「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」で緑色と黄色の2種類が記載されるようになりました。

これを見ると、含有量に大きな違いが見られる栄養素として、食物繊維は緑色が黄色の約2倍、ビタミンCは黄色が緑色の約2倍含まれています。便秘がち、血糖値の急上昇を避けたいなど、食物繊維を補充したいのか、風邪気味、だるさを感じるなどのビタミンCを補給したいタイミングなのかを考えながら2種類のキウイフルーツを使い分けるのもよいでしょう。

ただし、緑色はすでに日本でも栽培されているため、1年を通して出回っていますが、黄肉種は日本ではまだあまり栽培されていないため、輸入に頼るしかありません。そのため、ニュージーランドでの旬である日本の夏の時期のみ出回っています。黄色いキウイフルーツを食べるのであれば、夏のうちがオススメです。
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