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小児科医、直伝! 外来で医師が薦める感染対策法

様々な患者さんが受診する病院。もちろんなかには感染症で受診されている方もいます。「病院にいったら嘔吐下痢症をもらってしまった」「他の病気をもらいそうで、子どもの小児科受診をためらってしまう」…。病院での感染リスクを下げる受診のポイントを、現役小児科医として実践している方法を示してご紹介します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

患者としてはどちらに行くべき? 総合病院とクリニック

待合室

困った症状があるときは、病院で診てもらうのが安心。でも色んな患者さんが集まる病院で、他の病気に感染しないか、心配される人は多いものです

医療機関を受診するとき、受診する医療機関が総合病院かクリニックかによって受診の仕方が異なってきます。

総合病院の場合は、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科などの全身的な病気について受診する科と、整形外科、脳神経外科、眼科、耳鼻咽頭科、皮膚科、泌尿器科など臓器の病気について受診する科に分かれます。さらに、内科も、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科などに細かく分かれています。科によっては、感染症の患者さんが多い場合があるでしょう。なかでも小児科は、感染症の患者さんを診ることが多い科の一つ。感染症が多いのは皆さんご存知の通りなので、特にインフルエンザやノロウイルスなどの流行期には、軽い風邪程度の症状の子どもを病院に連れて行くのは不安…と思うのも当然のことかもしれません。

一般的に総合病院は待ち時間が長く、処置や検査、薬などをもらうまで半日以上かかることもあります。病院への滞在時間を短くさせたいのであれば、待ち時間が短く済むクリニックを選ぶ、などの工夫も当たり前ですが有効です。

感染力の強い感染症で受診されている患者さんの近くで待つと、当然ですがその分、感染リスクはあがってしまいます。その点では、待合室が小ぢんまりとしたクリニック受診もためらってしまうかもしれません。症状によって感染症の疑いが強い受診者に対して隔離スペースを設けている病院も増えているようですので、チェックしておくのがよいかもしれません。

感染症にかかりやすい危険因子は?

感染症になる危険因子は2つ。病原体の種類と、個人の免疫力です。

■病原体の種類
結核菌、水疱瘡ウイルス、麻疹(はしか)ウイルスは、空気感染する病原体。さらに、アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。病原体によって感染しやすいかどうかが決まってきます。不可抗力な面もありますが、これらの感染症を防ぐために重要になるのが、「距離」と「遮蔽物」。感染源から距離があればあるほど、感染の危険性が減らせますし、遮蔽物によって感染が防止できることもあります。ですので、どんな病気で受診されている患者さんが多いかはわからなくとも、なるべく混み合った待合室に密集して留まらないようにする、マスクなどできる方法で遮蔽する、という方法は有効です。直接、体への侵入を防ぐことも大切なので、手洗い、うがい、マスクは基本的に必要と言えます。

■免疫力
そして感染症にかかるかどうかは、個人の免疫力によっても左右されます。職場などでインフルエンザの人が出ても、近くの席の人全員が感染するわけではないでしょう。ワクチン接種をしている人や、以前同じ病気にかかって免疫がある人は、感染しないか、感染しても軽症になります。大人になると、成長過程でかかっている感染症の種類も多くなっているため、大人よりも子供の方が感染症になりやすく、発熱することが多くなります。適宜、ワクチン接種を受けたり、バランスの良い食事、十分な睡眠などの方法で、子どもの免疫力を高めることも有効です。

病院やクリニック受診時に、他の病気に感染しないために

そもそも多くの病院やクリニックでは、院内感染予防策を講じています。しかし、「これをしていれば絶対にうつらない」という絶対的なものはありません。そのため、受診する患者さん自らの感染しない工夫も必要です。

病院やクリニックには必ず掃除をしていますが、患者さんが触るたびに消毒ができるわけではありません。したがって、感染予防の観点からは、病院やクリニックでは不要に周囲のものを触らないようにすることも大事です。病院を出るときには、手洗いができるとベストです。内科とは別ですが、眼科での流行性角結膜炎も非常に感染力が強いので、病院内で手で目を触らないようにしたいものです。基本的なことですが、感染症を予防する最も効果的な方法は手洗い。手洗いは、可能なら病院やクリニックを出た時、少なくとも帰宅時にはすぐにするようにしましょう。さらに、うがいをして、基本的には、病院に着ていったものはすぐに部屋着に着替えたいものです。もちろん、インフルエンザやノロウイルスなどの流行期には、マスクをしていきましょう。

また、感染症の患者さんガ多い時間帯からずらすのも1つの方法。例えば、小児科では、予防接種は、一般外来とは別の時間や場所で行っていることがあります。受診する目的にあわせて、病院の受診方法をよく確認しておくことでもリスクは減らせます。

また、クリニックは規模が大きくない分、様々な工夫をしているところがあります。一般外来でも電話予約やネット予約ができ、感染症の流行期でなければスムーズに受診できるシステムが導入されているところや、待合室で待ちたくない場合は、車の中などで待っていて、順番が来れば携帯に連絡をしてくれるところもあります。病院やクリニックではホームページなどで表示していることが多いので、事前に確認しておきたいものです。

最後に。私は、病院と通勤と家で、必ず衣服を着替えております。そして帰宅したらすぐに手洗いとうがいをするようにしています。基本的なことですが、感染予防を心がけるだけでも、感染リスクはうまく減らせるのではないでしょうか。病気予防は不可抗力な部分もありますが、できることだけでもしっかり対策することが重要です。

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