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PS Vitaに子ども達を連れてきたマインクラフト(2ページ目)

PS Vitaに初のミリオンタイトルが誕生したというニュースが流れました。そのタイトルはなんと「Minecraft: PlayStationVita Edition」。元は、海外のPC用でインディーゲーム。しかし、日本でもジワジワと人気が出て、とうとうVita版は100万本! しかも、買っているのは子ども達だというではありませんか。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

子ども達が遊ぶなら……どれがいい?

PSVitaの図

子ども達がマインクラフトを遊ぶには、PS Vitaはちょうどいいハードだったんですね

日本でも少しずつ認知を獲得していくなかで、恐らくは、ゲーム実況などの動画からマインクラフトに興味を持った子ども達がいたと思われます。しかし彼らはきっとどのハードで遊べば良いのか、という点にとても困ったことでしょう。

ご両親のPCにマインクラフトをダウンロードして遊ばせてもらう、というのはなかなかハードルが高そうです。スマートフォンで遊べる「Minecraft - Pocket Edition」がリリースされると、iPhoneなどで遊んだ子もいるかもしれません。でもやっぱり、小学生は自分のスマートフォンを持っていないケースが多いでしょうから、これもご両親のを借りるとなると、気軽にというわけにはいかないかもしれません。

ゲーム専用機では、Xbox360版が最初でした、これは日本ではあまり普及していません。その後、PlayStation3版が発売。これもどちらかというと、低年齢層向けのハードではありません。一方で、ファミリー層から圧倒的支持を得ていたWiiやニンテンドーDS、ニンテンドー3DSでは発売されていないんですね。ちなみに、Wii U版はありますが、2015年12月の発売ということで、最も遅い発売となっています。

そういった選択肢の中で考えると、ゲーム専用の携帯機であるPS Vitaは、子ども達がマインクラフトを遊ぶには最良と言える選択肢でした。

日本の売れ筋ではない……とはもう言えない

ゲームにはまるユーザーの図

様々なプラットフォームを合算すると、さらに多くの人がマインクラフトにはまっていることになります

非常に興味深いのは、マインクラフトというゲームは、日本のゲーム市場で売れ筋になるような要素を持っているゲームではないということです。面白いゲームであることは間違いなく、日本の多くのゲームユーザーが遊んだことの無い体験をもたらし、はまれば何時間でも遊び続けてしまうような中毒性があります。

しかし一方で、インディーゲームであったこともあり、最近のゲームにしてはかなり不親切で、画面は特徴的で新鮮ではありますが決して豪華ではなく、さらに言えば、ゲームの目的もはっきりとせず、広いマップの中にポツンと放り込まれた後は、自分で楽しみを見つけださなければ面白くもなんともない、というゲームです。

誰でも簡単に楽しく遊べて、用意された大冒険で盛り上がる、というタイプのゲームじゃないんですね。基本的には、自分で楽しみを探さなければならず、人を選ぶゲームです。

しかし、100万本という数字は、人を選ぶという言い方があまり似合わない数字です。PS Vitaで最も売れているゲームであり、子ども達に大人気のゲームと言えます。つまり、そういうゲームが売れ筋でない、というように思いこんでいただけで、実は、子ども達からすれば面白ければそんなことは関係なかった、と考えた方が適切なのかもしれません。

そしてPS Vitaはマインクラフトによって、子ども達を大きく取り込んだことになります。
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