登山やキャンプで山に行くと、野生のシカやサル、イノシシなどに遭遇する機会があります。ある地域ではシカが増えすぎて、樹木の皮を食べつくす“シカ害”によって、深刻な土壌災害に発展しているとか、里山ではサルが畑や果樹園を荒らし、農作物に深刻な被害をもたらしているなどの話を聞く機会も多くなりました。
登山中に見かけたシカ

登山道入り口付近で見かけたシカ

一方で、鹿や熊、イノシシなどの野生動物を使った「ジビエ」料理の人気とともに、「狩猟」への注目も高まっています。東京で行われた2015年の狩猟免許試験の受験者数は過去最高となり、若い女性ハンターも増えているとか。そんな狩猟ブームの中、「もっと多くの人に狩猟に興味を持ってもらいたい」と活動している「サラリーマン猟師」さんが主宰する「東京ジビエ」イベントや「罠シェアリング」という新しい取り組みについてご紹介します。
東京ジビエ

東京ジビエ


日本国内で行える「狩猟」とは?

銃や網、ワナを使って野生の鳥獣を捕まえることを狩猟といいます。日本国内で狩猟を行う場合は、狩猟免許を取得しなければなりません。狩猟免許は、狩猟の種類によって以下の4種類に分かれています。

1:網猟免許
網を使って、鳥類の狩猟を行うための免許

2:わな猟免許
箱ワナやくくりワナなど、ワナをしかけて鳥獣の狩猟を行うための免許

3:第一種銃猟免許
散弾銃やライフル銃などを使って狩猟を行うための免許

4:第二種銃猟免許
空気銃を使って狩猟を行うための免許


なぜ狩猟をするのか?

様々な地域で、野生動物による農作物被害や事故などが発生しています。狩猟を行うことで、増えすぎた害獣を駆除し、自然環境を保護管理することを目的として狩猟が認められています。

鳥獣害問題は、野生動物の数が増えすぎることで起こり、生物の多様性を損なっていきますが、野生動物のバランスが保たれていれば、本来は人間と動物は共存可能であると言われています。


狩猟をするために必要なことは?

狩猟免許を取得して、活動拠点となる場所で猟友会に所属することが一般的です。狩猟免許に加えて、狩猟を行う都道府県ごとの狩猟者登録が必要で、さらに銃猟をする場合は銃砲の所持許可が必要となるなど、狩猟を行う形態により必要なものが異なります。

基本的には、狩猟免許を持っているからといって単独で自由に猟を行えるわけではありません
ワナ

ワナの一種

狩猟可能な野生動物は、鳥獣保護管理法施行規則により定められた48種類。狩猟時期は毎年11月15日から翌年の2月15日まで(北海道では10月1日から1月31日まで)と決められています。ただし、指定管理鳥獣であるニホンジカとイノシシは、都道府県による実施計画に沿って狩猟時期以外にも捕獲が認められています。


サラリーマン猟師

サラリーマン猟師

サラリーマン猟師、小川さん

東京、あきる野市で狩猟活動をしている小川さん。サラリーマンをしながら、週末を中心に猟に出かけ、講演活動やイベントなどを行っています。小川さんが猟師になったきっかけは、2011年の東日本大震災での経験でした。被災地だけでなく、全国的に食料が不足するという非日常を体験し、自力で食料を入手する手立てがないことに危機感を抱いたそうです。

会社の行き帰りにワナを確認し、週末には猟友会のメンバーと猟に出かけ、季節ごとにジビエ料理を楽しむイベントや、解体などの体験会、狩猟仲間とのトークショーなどを企画しています。


「罠シェアリング」と「東京ジビエ」

狩猟に興味があり、免許を取得したとしても、近隣に狩猟可能な森林がない、活動している猟友会がないなどの理由で狩猟に参加できない人もいることから、小川さんは「もっと気軽に狩猟に参加できる方法」として、「罠シェアリング」への参加を呼び掛けています。

罠シェアリングとは、罠などの購入費用を共同で出資し、狩猟で得たジビエ肉などを分け合うシステムのこと。小川さん以外は猟友会に入る必要も、罠狩猟者登録の必要もないので、狩猟に興味を持つ人が、もっと気軽に参加できるようにと考えたそうです。毎年6月ごろ体験会とあわせた説明会を開催、9月ごろにメンバー募集を予定しています。

イベントの告知は、「LIFE DESIGN VILLAGE」のサイト内でアップされます。
ワナの見回り

ワナの見回りを行う小川さん


小川さんが活動するあきる野市は、キャンプ場が数多く点在する東京のアウトドア聖地。「東京ジビエ」と題したBBQやキャンプイベントを不定期で開催しています。仕事を終えた金曜日の夜や、週末のキャンプの際に、あきる野で狩猟体験をしてみませんか?

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