旅行前に知っておきたいイタリアのトイレ事情
イタリアのトイレは、もちろんトイレットペーパーは水に流せますし、日本とほぼ同様に使うことができます。ただ、南部ではときには便座がなかったり、場所によっては入口でチップを払うなど少し違うところもありますので、今回は日本との違いをご紹介します。
イタリアの公共トイレって?
英語(Toilets)とイタリア語(Servizi)で併記されたナポリ中央駅地下のトイレの表示板。 (C)Ewa Kawamura
イタリアでは、バール(カフェ・喫茶)には、法律によってトイレを設置することになっているため、必ず公共トイレがあります。一方ジェラテリア(アイスクリーム屋さん)では、バールが併設されていない限りトイレがないので注意です。
バールでお手洗いを使用するさいは、なにかお菓子か飲み物などを購入するのがマナーですが、一言店員さんにお願いすれば、なにも消費しなくても貸してくれます。ときには鍵を貸してもらわないと入れない、鍵付きトイレもあるので、バールでは声をかけるようにしましょう。
老舗カフェや劇場、ポンペイ遺跡などのトイレには、ときどき入り口付近に座っているおばさんがいて、お皿を置いていれば、50セント前後のチップをそこに置いていきましょう。
空港や駅などのトイレ
1ユーロ硬貨をゲートで投入してトイレに入場する。わからない人に教えてくれるおじさんも待機しているナポリ中央駅 (c)Ewa Kawamura
電車のトイレの清潔度は路線や電車の車種によってまちまちです。空港や特急電車には、便座が常に上がってしまう状態(座って体重をかけないと定位置に便座が下りない)タイプのものが、ときどきあります。これは中腰で使用する人が多く、便座が汚れるのを防止するために近年開発されたものですが、紙を便座に敷くことができない難点も。
トイレの南北差
斬新でおしゃれな陶器製で大きく男女表示されたナポリ・カポディキーノ空港のトイレ (c)Ewa Kawamura
全国スタンダードでどこでも比較的きれいなのが、高速道路のサービスエリアのトイレで、ここには必ず紙と便座があります。北イタリア、とくにヴェネツィアのあるヴェネト地方では、「トルコ式(alla turca)」という和式のように、しゃがむタイプのものに出くわすことがありますが、これは便座問題に悩まされることなく、このほうが清潔だと考えられているためです。とはいえイタリア人でも、トルコ式をみると、がっかりしてしまう人が多いのもまた事実なのです。
イタリア語でトイレの場所を聞いてみよう
トイレのイタリア語「Bagni(バーンニ)」と書かれたナポリ・カポディキーノ空港の表示板 (C)Ewa Kawamura
◆トイレはどこですか?
-Dov'e' il bagno?
(ドヴェ・イル・バンニョ)
◆トイレはどこにありますか?
-Dove si trova il bagno?
(ドヴェ・スィ・トローヴァ・イル・バンニョ)
◆お手洗いはどこでしょうか?
-Dov'e' che si possono lavare le mani?
(ドヴェ・ケ・スィ・ポッソノ・ラヴァーレ・レ・マーニ)
以上にいくつか基本的な文例を載せておきましたが、覚えきれない場合でも大丈夫。イタリア人は勘がとてもよいので、本記事冒頭で述べた「トイレ」という一単語だけを、尻上がりのイントネーションで疑問形「Bagno(バンニョ)?」または複数形の「Bagni(バーンニ)?」にするだけでも、わかってくれます。そして教えてくれたあとには、「ありがとう」の「Grazie(グラッツィエ)」を!