アナタの仕事はただの「作業」かも?
仕事と作業の違いとは
しかし本当の意味での仕事とは、利益を生み出す行為、コストを削減する行為、問題を解決する行為のはず。
もちろんバックオフィス部門(総務、経理、人事など)ではルーチンワークも多いのですが、ルーチンでできる仕事は誰でも代替可能という特性を持っています。ということは自分でなくてもよいわけで、いずれ賃金下落圧力にさらされることになります。
特に今後は人工頭脳技術の発達によって、ロボットやコンピュータにとって代わられる仕事が増えることが予想されます。あるいは日本政府のビザ発給基準の緩和により、単純作業は人件費の安い海外の人材に置き換わっていく可能性もあります。
つまり「人間にしかできないこと」「自分ならではの価値を出せること」にフォーカスして取り組まなければ、年収はどんどん下がっていくということです。そんな状態になれば、「時間を効率よく使う」なんていうものはほとんど意味をなさなくなる。
「作業」を減らし「仕事」に専念する
効率的な時間の使い方とは、「作業」を減らし「仕事」に専念できる状態・環境をつくることではないでしょうか。そういう意味では、キーボードを速くたたくとか、ノマドワークをするといったテクニックやスタイルの整備だけでなく、たとえばコミュニケーション力や論理的思考力など、実は全人格的な要素を多分に含んでいるとも言えます。たとえば、同僚から「今ちょっといい?」と声をかけてきたとき。こうした中断によって集中力がそがれたり、思いついたばかりのアイデアを忘れてしまうということは起こりがちです。
そんなときに「ごめん、今そんな時間はないんだ」と言ってしまうと、相手は拒否されたと感じ、だんだんと声をかけられなくなってしまいます。そこでたとえば「ごめん、今ちょっと手が離せないんだけど、30分くらいで終わるから、それでもいい?30分後にこっちから声をかけるよ」など、相手を思いやるコミュニケーションが必要です。
あるいはA案とB案で迷ったとき。それぞれの案のメリットデメリットを抽出して論理的に比較できなければ、判断ミスとなったり、「なぜA案なの?」と聞かれてうまく答えられなかったりすると、逆に時間のロスにもつながります。
また、自己責任意識が希薄であれば「いったん持ち帰って上司に相談します」となって、タスクを増やすだけでなく相手からの信用も低下させかねません。一方で、仕事が速い人は意思決定スピードが速い。それは経験の蓄積によるカンが働くという理由のほかに、「最後は自分が責任を持つ」という強烈な自己責任意識があるからです。
どんな結果になったとしても受け入れる覚悟があれば、自分の判断でタスクをコントロールすることができます。
このように、時間をうまく使って人生を豊かにするには、テクニックだけではなく、思考体系と行動体系の両面から変革しつつ、自己の総合力を高めていく必要があるのです。
つまり私もまだまだ未熟者であるということですが、未熟であるがゆえに、つねに自分の思考と行動を評価し、時間の使い方を進化させられないか、意識しています。
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参考文献:『いつも時間に追われている人のための「超」時間術』(総合法令出版)