「答えの出ない迷い」がもう一度溢れ出してくる5月
「五月病」は大人だけが感じるものではありません。例えば幼い子供が初めて集団生活に入る幼稚園でも、5月に実施される健康診断では多くの新入園児に体調不良が見られるといいます。親が見守る中で自由に遊び、周囲を意識することの少ない子供でさえも、たくさんの初めての出会いに様々なストレスを感じていることの証なんですね。新社会人ともなれば立派な大人……ですが、大人だからこそ自分が気付かないうちに周囲と調和する気遣いに翻弄されています。毎日一つひとつ覚える仕事から「働くことの責任」が次々とのしかかり、5~6月には一気に疲れも出てきます。その中で、就活中に感じていた多くの「答えの出ない迷い」がもう一度溢れ出してくる時期なのです。
でも、ここで立ち止まって悩みこんでしまうと大変!せっかく掴んだ職場を手離してしまうことにもつながっていきます。
少しだけ逃げるような気持ちで取ってしまった一日の欠勤をきっかけに、そこからの人生を台無しにしてしまった例も数多く見てきました。まずは「誰でもが通過してきた小さな山なんだ」と大きく構えて、必要以上に大袈裟な原因追及をしないことをおすすめします。
「仕事体力」という未経験の体力
入社して2~3か月目に感じる疲労感の大半は、まだ「仕事体力」がついていないことが原因です。若い人であれば自分の体力には自信があるでしょう、でもその体力と「仕事体力」とは全く違うものなのです。仕事の動きや結果は全てが誰かに直結するもの、自分が何かをやれば誰かが助かり、誰かが困ることも出てくる。組織の中での立ち位置が分かり始めた頃の一日は「考えて動く」ことばかり。頭の中では「考え」が全力で走り回ることになります。その時一番疲れてしまうのは「頭の中(脳)」。不安になったり、気分がすぐれなくなるのはそのせいです。「頑張れ!」という励ましの言葉さえうっとうしく聞こえたりします。
「好きなこと」を自由に考える環境から、「やらなければならないこと」を短い時間で処理していく環境に適応していくことは、社会人の最初の壁なのです。同期入社の社員との競争、自分の成果(良く見せること)などはもっと先に置いて、環境に慣れるまでは焦らずに自分のスピードで進んでいきましょう。環境の変化にはいつしか慣れていきます。そして意識して気分転換をすることでストレスからも徐々に解放されていくでしょう。
あなたが感じるより、会社はあなたの将来に期待しています
新卒新入社員が最初に与えられるルーティンワークは、決して面白い仕事ばかりではありません。「こんなことをやりに入社したんじゃない!」と心の中で憤ったり、それでも頑張っている先輩を見るにつれ「こんな生活がずっと続くのか…」と、思い悩んだりしていませんか?あなたが感じるより、会社はあなたの将来に期待しています。
でも…
「こんなこと」さえ、まだ上手くできないから
「こんなこと」から、覚えて貰っているのです。
頑張っている先輩たちは、その先にある「仕事の醍醐味と大きな喜び」を共有しているからこそ皆で頑張れるのです。先輩は待っています。あなたが早く仕事の喜びを共有できる本当の仲間になってくれることを。
真面目な人、責任感が強い人ほど要注意!
一般に言われる「五月病」は決して病気ではありません。とは言え、そのままストレスを溜め込んで悪化させてしまうと、思いがけない精神的な疾患を引き起こす可能性もあります。「五月病かな?」と感じ始めたら、積極的に気分転換の方法を試してみましょう。特に、真面目な人・責任感が強い人ほど要注意です。自分を解放する時間と場所を持ちましょう。- 休日は寝込むより、思い切って外に出る
- 悩み事は日光を浴びて歩きながら考える
- 好きなスポーツや読書・音楽など趣味の時間を持つ
- 乱れ始めた食生活を整える
- 職場で感じた「小さな疑問」は飲み込まず、信頼のおける先輩や上司に話してみる
あなたも是非アクションを起こしてみてください!