このままでは老後資金ができるかどうか。家計をどう見直せば?

貯金が底をつきそう。どうする?

貯金が底をつきそう。どうする?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、貯蓄できないことに悩む40代の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


【編集部からのお知らせ】
オールアバウトでは住宅・教育に絞った家計のシミュレーション診断を行っております(相談は無料です)。診断希望の方は以下のフォームからご応募ください。
・住宅購入や住宅ローンの試算はこちら→『住宅のお金シミュレーション診断』
・教育のお金に関する試算はこちら→『教育のお金シミュレーション診断』

■相談者
ふくちゃんさん(仮名)
女性/パート/44歳
東京都/持ち家・一戸建て

■家族構成
夫(会社員/35歳)、子供(3歳)

■相談内容
貯蓄がなかなか増やせず、無理な住宅購入でローンがきつく完済できるか不安です。退職金も期待できず老後資金も心配です。保険をかけたいがどのようなものがいいのか決めかねています。また、食費を切り詰めたいのですが、休日の数回の外食が楽しみになっていてやめられません。貯金は冠婚葬祭や家電の買い換え等の突然の出費で切り崩すことが多いです。子供がもう少し大きくなったら正社員で働きたいと思っていますが、家計についてどうしたらよいのか悩んでいます。

■家計収支データ
「ふくちゃん」さんの家計収支データ

「ふくちゃん」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち(昨年実績)
住宅ローンの繰上返済20万円、貯蓄22万円、夫婦小遣い6万円、家具生活用品の購入10万円

(2)住宅ローンの内訳
借入額3230万円、借入開始2015年6月、35年返済、変動金利1.075%、現在のローン残高3130万円

(3)加入保険の内訳、その他保険について
[加入保険の内訳]
・妻/共済(病気死亡400万円、病気入院4500円)=保険料2000円

[夫の保険]
・団体信用生命保険に医療特約、がん保障特約(被保険者がん診断でローン支払い免除、配偶者がん診断で一時金100万円等)、就業不能特約(返済軽減)を付加。

(4)車両費の内訳
ガソリン1万円、車検積立て1万円、母への車購入時借金返済2万円(残高10万円 ※完済後も買い換え費用として同額を積み立てに回す)

(5)妻の仕事
子供が小学校に上がるくらいに正社員を目指す予定。資格があり、手取り年収350万円程度の見込み。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 老後資金は退職金に左右される
アドバイス2 計画的な繰上返済で60歳完済を目指す
アドバイス3 妻の正社員勤務が大きなポイント
 

アドバイス1 老後資金は退職金に左右される

貯蓄がなかなか増えないというご相談ですが、現状ではそれなりに頑張って貯蓄をしているのではないでしょうか。ただし、それが今後十分な備えになるかどうかは、また別の話です。そこでまずは、このペースで貯めていけばどの程度貯まっていくのか。大まかに試算してみましょう。

まずは貯蓄ですが、毎月の5万円(※毎月6万円貯蓄とありますが、その場合収支で1万円赤字となるため)にボーナスからの貯蓄分22万円を加え、年間82万円。ご主人の定年を60歳とすれば、それまでの25年間で計2050万円貯めることができます。実際はご主人の収入アップ等も考慮すべきですが、児童手当と住宅ローン減税が途中で切れるため、ここでの貯蓄ペースは「変わらず」としておきます。

一方、今後の大きな支出としては、教育費があります。進路はまだ未定ですが、高校まで公立とすれば、それまでの学校費用は家計から捻出。別途必要となるのは、高校までの学校外費用(進学塾、習い事)と大学費用ですから、それが500~600万円。その他、クルマの買い替えや自宅の修繕費用(ともにそれ用に貯蓄をしていますが、それに追加してかかる費用として)、その他不定期な支出等で計1000万円が毎月の家計支出以外にかかるとしましょう。

先の貯蓄分に現在の貯蓄300万円を加え、支出1000万円を差し引けば1350万円が60歳のとき手元に残る計算になります。これに退職金を加えれば、老後資金となるわけですが、「退職金が期待できない」とはまったく支給されないのか、あるいは多額は望めないということかで、大きく異なります。仮に前者であれば、90歳までの30年間、貯蓄から毎月、公的年金等に上乗せできるのは3万7500円。準備できる老後資金としてはやや心許ないということになりそうです。
 

アドバイス2 計画的な繰上返済で60歳完済を目指す

さて、ご相談者が「貯蓄ができていない」と心配する、その大きな要因は住宅ローンにあります。固定資産税等も加算すると、毎月の支出の3分の1が住宅コストに消えています。これでは、毎月貯蓄できていても、精神的に大きな負担を感じるはずです。

住宅ローンの詳細を見ると、頭金はほぼなく、変動金利による35年返済ですから、毎月の返済を抑えることを最優先した形となっています。それでも、返済額が家計に占める割合は高く、しかも、完済はご主人69歳のとき。また、ずっと金利上昇リスクを抱えながらの返済ということになります。

とくに問題とすべきは完済時期。老後資金が不安な中、69歳まで住宅ローンを抱えるのは、かなりの負担です。そこで、できれば60歳で完済になるまで返済期間を短縮したいところ。

昨年、ボーナスから20万円繰上返済されていますが、それで短縮できた期間は3ヵ月程度だったはず。しかし、これを毎年継続すれば、60歳の時点で残高はかなり減っています(一切繰上返済をしなければ、60歳の時点での残高は1000万円ほど)。あとは貯蓄もしくは退職金の一部で完済できるでしょう。

一気に9年間短縮するのは大変ですが、計画的に行えばそれも可能となります。ただし、繰上返済時に手数料が発生する場合、100万円単位にまとめて行った方が得なケースも出てくるので、そこは確認しておいてください。
 

アドバイス3 妻の正社員勤務が大きなポイント

では、今後どう貯蓄を増やしていくべきか。もっとも効果的で確実な方法は、相談文にある、お子さんが小学校に入学したら奥様が正社員として働くということ。資格があり、手取り350万円程度が見込めるとのこと。

そうなれば実質、奥様の月収が20万円アップしますから、そのうち15万円貯蓄に回せば、4年後から働き始めて、60歳までの12年間で2160万円、貯蓄を上積みできる計算になります。しかも、奥様も厚生年金加入となりますので、年金支給額もアップします。老後資金は、ほぼ安心できるレベルで用意できると考えていいでしょう。

ただし、老後に関しては不確定要素が多くあります。何が起こるかわかりません。そのための対策としては、夫婦とも少なくとも65歳までは元気に働くこと。収入はダウンしても構いません。収入そのものを得ることが大事なのです。

普段の家計管理については、よくやられています。無理に削るというより、今の水準を維持するという方向でいいでしょう。外食についても、突出した金額にはなっていませんし、予算さえ決めれば、現在のように家族で楽しんで構わないと思います。とくに奥様はパートに家事、育児とハードな毎日を送っているはず。上手くストレスを発散する意味でも、有効なお金の使い方なのでは。

ご主人の保険については、現時点で大きく保障が不足していることはありません。しいて言えば、死亡保障がもう少しあれば、より安心でしょう。1000万円を収入保障保険か保険期間10年の定期保険で確保してください。保険料は月2000円以下に収まるはずです。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ




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