お金の悩みを解決!マネープランクリニック/教育費が準備できるか不安な子育て世代

36歳双子を妊娠中。貯金1400万円で学費は足りる?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、もうすぐ3人のお子さんの母親となる30代の会社員の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 全員、高校から私立でも教育資金は用意が可能

まずは、今後どのくらい貯められるかを見ていきましょう。

毎月の貯蓄が20万円ですが、引っ越したことで家賃が2万円程度上がるとのこと。しかし、新たに受給できる児童手当で、支出のアップ分は穴埋めできますから、結果的に月20万円の貯蓄は可能でしょう。

また、ボーナスからの貯蓄は年間140万円ですから、これを夫婦とも60歳まで継続するとざっと9000万円。大学費用を1人500万円(大学にかかる4年間の費用の平均は私立文系390万円、私立理系520万円)とすれば、3人で1500万円。これに、リタイア後のマンションの購入費用3500万円を加算して計5000万円。それでも4000万円が残る計算になります。

ただし、実際はお子さんが2人増えることで、高校までの教育費も食費も、またその他の支出も増えることになります。概算ですが、それらが2人で1000万円とすれば、残る貯蓄は3000万円ということになります。

仮に、お子さんが全員、高校から私立に進学した場合、公立に進学した場合の費用に対して上乗せ分は1人150万~200万円。そうなると、残りは2500万円に減りますが、教育資金用に低解約返戻金型の保険にも加入していますので、教育資金は十分備えることができると言えるでしょう。
 

アドバイス2 貯蓄ペースの変動は気にせず、トータルで貯めていく

この試算で重要なポイントは、夫婦ともフルタイムで働き、高収入を維持しているから、十分教育費を用意できるということです。逆に言えば、奥様が何らかの理由でパート勤務になった場合、大学費用は何とか用意できても、その他の備えについてはきびしいと考えてください。

また、お子さんが3人とも保育園に通う時期が発生しますが、現在発生しているコストから類推すると、貯蓄が難しい時期が出るかもしれません。ただし、全員小学校に進学すれば、今より貯蓄ペースが上がりますので、そういった変動はあまり気にせず、トータルで見ていけばいいと思います。

加えて大事なことは、フルタイムで働きながら、3人のお子さんを育てるのは精神的にも肉体的にもハードだということ。ご主人の協力も得ながら、オーバーワークにならないよう気を配ってください。貯蓄ペースは十分過ぎるほどですので、ストレスを溜めないよう、旅行でも外食でもいいので、定期的に息抜きをすることも、貯蓄を継続していくためのポイントなのです。
 

アドバイス3 夫の死亡保障が不足気味

少し早いですが、老後資金にも触れてみます。

基本的な老後資金の考え方は、リタイヤ後の生活費に対して公的年金の不足分を補うというもの。仮に、毎月5万円が不足したとします。90歳まで生きれば、65歳からの25年分が必要ですから、1500万円を老後資金として備えていれば、計算上は足りることになるわけです。

もちろん、これは老後期間中に大きな支出がなく、健康で過ごしているという前提があっての試算です。実際は何が起こるかわかりません。もっと長生きする可能性もあります。そうなると、さらに1000万円程度は欲しいところです。

そう考えれば、ご相談者の場合、先の試算で出た最も少ない額の2500万円に、実際は夫婦それぞれの退職金が加わります。現在ある貯蓄も加算できます。おそらく延べ2~3台のクルマの買い替え費用をそこから差し引かなくてはなりせんが、それでも老後資金についても用意できそうだということが言えるでしょう。

貯め方の注意点としては、教育資金はあくまで元本保証の貯蓄商品で用意してください。教育資金にある程度めどが立ったら、貯蓄の一部を投資に振り分けてもいいでしょう。その場合、老後資金が目的となるはずですから、確定拠出年金を利用すれば税制の優遇も活用でき、合理的です。

最後に保険で気になる点があります。データに記載されている保障内容を見る限り、ご主人の死亡保障はやや不足気味です。必要額の目安は、奥様が確保している死亡保障2000万円と少なくとも同程度。低解約型の終身保険に加入していますので、あと1500万円を、定期保険か収入保障保険で確保してください。

一方、ご夫婦で加入されている医療保険は、やや割高。入院を5000円に下げ、終身払いタイプにすれば、保険料コストは半分に下がります。合わせて見直してみてください。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ





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