定番パターンにも変化がアリ
弁護士ものの定番パターンとして、個人を助ける小さな事務所の弁護士の前に大企業の顧問弁護士が立ちはだかるというものがあります。いつもは敵役の企業法務弁護士が主人公なのが『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日系木曜21時 4/21～)。同じ事務所のエース格(竹野内豊)とライバル(松雪泰子)は元夫婦。張り合っている二人が協力して困難な依頼に対応していきます。ホームドラマならぬ法務ドラマですね。スタッフは『DOCTORS～最強の名医～』のチーム。新たなるヒットシリーズになれるでしょうか。弁護士ものに対して、刑事ドラマは春ドラマでは少なめ。すでにスタートしている『警視庁捜査一課9係』と、内藤剛志主演『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系木曜20時 4/14～)と定番枠のみ。それでもいろいろ変化をつけていて、『9係』はセミレギュラーとして野際陽子が出演。『警視庁・捜査一課長』はこれまで京都舞台が定番の枠ですが、今回は「警視庁」なので東京が舞台になっています。
恋愛ドラマは増加傾向？
月9枠が恋愛回帰した影響か、恋愛ドラマは増加傾向。『ラヴソング』と『世界一難しい恋』がストレートな恋愛ドラマなのに対して、ちょっとひねった恋愛ものとして婚活ものと不倫・禁断の愛ものがあります。婚活は『早子先生、結婚するって本当ですか？』(フジ系木曜22時 4/14～)。ブログ発のコミック原作で、恋愛に無頓着だった小学校教師(松下奈緒)が、あることをきっかけに同僚と婚活同盟を結成、奮闘する姿を描きます。原作イメージに近い、ほのぼのとした作品になりそう。
婚活ものはもう一つ、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系金曜22時 4/15～)。39才の開業医(中谷美紀)が、作品タイトルのように思っていたけどじつは恋愛弱者だということに気がつき、自称恋愛アドバイザー(藤木直人)の指南をうけます。原案は水野敬也「スパルタ婚活塾」。水野敬也の恋愛本では『LOVE理論』が昨年、テレビ東京系で深夜ドラマ化されていて鋭い指摘が見られました。
不倫ものは『不機嫌な果実』(テレビ朝日系金曜23:15 4/29～)。林真理子原作、1997年にTBS、石田ゆり子・岡本健一でドラマ化されたものを20年弱経ったいま、栗山千明・市原隼人で再ドラマ化。
20年前に『不機嫌な果実』だった石田ゆり子主演作は『コントレール～罪と恋～』(NHK総合金曜22時 4/15～)。無差別殺人により夫を失ったヒロインと、夫を殺した男(井浦新)の禁断の愛を描きます。『セカンドバージン』『ガラスの家』の大石静脚本。
不倫、禁断の愛よりさらに踏み込んだのは『僕のヤバイ妻』(フジ系火曜22時 4/19～)。カフェの経営者(伊藤英明)が、不倫相手(相武紗季)にケシかけられて妻(木村佳乃)を殺そうとするが、その前に妻が誘拐されて巨額な身代金を要求される……という夫婦関係サスペンスです。
次は「原作になるコミックを発掘」
