介護家系図を作って、両親等に介護が必要になった時を想像してみよう
両親に介護が必要になったら、どうする?
近い将来が心配という方も、漠然と不安に思っている方も、まずは、自分やご家族が今どのような状況なのか、整理してみましょう。ガイド平野が、相談やセミナーの際に使っているのが、「介護家系図」です。下図(Aさんの例)をご覧ください。
Aさんは、3歳の子どもがいる共働き夫婦です。昨年マイホームを買い、そろそろ2人目の子どもが欲しいと希望しています。Aさんの母は、寝たきりの祖母の介護をしていましたが、先日過労で倒れてしまいました。これをきっかけにAさんが家族の状況を整理したところ、祖母以外にも、将来、要介護者となる可能性がある親族は、5人(Aさんの両親、伯母、Aさんの妻の両親)いることが分かりました。
一方、介護を担える人を見ると、Aさん自身は海外出張が多く、兄弟姉妹それぞれにも事情があり、誰もが介護にかかりきりになるのは厳しい、という状況も分かります。仮に、Aさんの妻が子育てと介護のために仕事を辞めるとしたら、どうなるでしょうか? Aさんの妻1人が、子育てをしながら全ての親族の介護を担うことは難しいですし、Aさん一家の家計状況も悪化してしまう可能性があります。
こうした状況を家族全員が把握し、万が一の時をイメージすることが大切です。「両親にいきなり介護のことを聞くのはどうも……」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした介護家系図を作って、ご両親にお見せしてみてはいかがでしょうか。まずは親自身の希望を聞きながら、現状を共有してみましょう。その上で、自分たちはどのようなことができるか、利用できる公的・民間サービスはどのようなものがあるか、助けてくれるご近所の方や親戚の方へお願いできることはあるか、両親が備えておけることは何か、など、少しずつ情報収集や整理を始めることが大切です。
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