子育て/育児ストレス解消法

母親は「いつも笑顔」でいるべきか?

いつも笑顔のお母さんでいたい。そう思いますよね。笑顔の人のそばにいるとホッとするものです。でも、母親ならば、つらいときや苦しいときも、笑顔でいたほうがいいのでしょうか?

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

「いつも笑顔のお母さん」は憧れるけど……辛い時もある

親子

いつも笑顔でいられるに越したことはありませんが……そうもいきませんよね

いつも笑顔のお母さんでいたい。そう思いますよね。笑顔の人のそばにいるとホッとしますし、子どもにはいつも安心感を与えてあげたい。でも、生きていれば、つらい時も、苦しい時もあります。そんな時も笑顔でいるのが「よい母親」なのでしょうか?


「世代間境界」を守ることが基本

まず前提として、子どもが健康に育つ家庭の中には、適度な「世代間境界」があると言われています。世代間境界というのは、祖父母世代、親世代、子ども世代というように、世代を分けている境界のことをいいます。

それぞれの世代の中で生じたトラブルは、その世代の中で解決する。つまり、親世代の問題は親同士が話し合って解決し、世代の絆を強めていくといったことが大切なのです。

母親が子どもとの世代間境界を侵害している例としては、母親が職場の悩みを子どもに相談したり、夫の愚痴を子どもに垂れ流す、といったことが挙げられます。本来、同世代の友人に相談したり、夫婦間で解決したりしなければならないことです。母親のカウンセラー役(母親役)を引き受けなくてはならなくなった子どもは、自分の問題と母親の問題を両方抱えることになって混乱し、問題行動を起こしやすくなると言われています。

子ども世代で抱えきれなくなった問題について親が相談に乗る、といったことは人生の先輩として自然なことです。しかし、子どもに大人の悩みや葛藤を背負わせるのは、子どもにとっては重すぎますよね。


とはいえ、母にも泣きたい日はある

では、どんなにつらいことがあったとしても、母親は子どもの前で笑顔でいなければならないのでしょうか。

筆者はそうは思いません。何故なら、母親の感情は、自分で思っているよりも子どもにバレているからです。子どもは多かれ少なかれ親の顔色を見ます。それは自分の生存が親にかかっている「弱い存在」だからです。

「ママ、何かあったの?」
「何もないわよ」

言葉ではそんなふうに返したとしても、子どもは声のトーンや大きさ、話すスピード、表情、しぐさ、目の動きなどから、母親の感情を読み取ります。そして言葉で伝えられた内容と、態度から伝わるものとのギャップに混乱します。


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