R&S RECORDSにデモテープを送ったら……
ガイド:サワサキヨシヒロさん、はじめまして。京都にお住いのサワサキさんとは今までお会いしていないのがある意味不思議なぐらいで、今回このようなインタヴューの機会が持てて、嬉しいです。宜しくお願いします! もともと京都出身なのでしょうか?
サワサキ:
こちらこそ、ありがとうございます!そうです、もともと京都生まれ京都育ちでございます。
ガイド:
じゃ、同郷ですね!
サワサキさんのデビュー作は、1994年のApollo(ベルギーのR&Sのサブレーベル)からの12インチシングル『Slumber/Space Race』とあります。何がきっかけとなって、海外レーベルからのデビューとなったのでしょう?
Slumber/Space Race (Discogs)
サワサキ:
あの当時、ヨーロッパの方でテクノのレーベルがどんどん出てきてて、日本でもDJやクラブ界隈では、テクノやアンビエントなどの作品をみんなが躍起になってチェックし出してて、ドンドンとリリースされて、新しい波が出てきた感じでした。で、僕はと言えば、実は、そんなにテクノとかDJのシーンを知らなくて、たまたまイベントで知り合ったイシイくん(ケンイシイ)がR&Sから、デモテープを送ってリリースしたのを知って、だったら僕も送ってみようと思って、良さそうな作品を出してるレコードレーベル数か所にデモテープを送ったんです。そしたら、R&S RECORDSから連絡が来て、リリースすることになったんです。運が良かったんですね。
元々ベーシストでプログレッシブロックなどの70年代オールドウェイヴロックが好きで、そういう流れでジャーマン・エレクトロニックミュージックやブライアンイーノのアンビエントシリーズを聴いていて、それに影響されてエレクトロニックミュージックを作ってたんです。それが、たまたま90年代のテクノ、チルアウト、アンビエントシーンとリンクしたのかな、と思ってます。
ラテンXテクノ
ガイド:同じ年にSublime Recordsからアルバム『Perfumed Garden』をリリース。「Secret Samba」はアンビエントなサンバというか、サンバも入ったアンビエントというか、異種の複合具合が素敵です。ちなみにアルバム・タイトルは、RAH Bandと関係あるのでしょうか?
Perfumed Garden (Discogs)
サワサキ:
RAH Bandの『Perfumed Garden』って曲がめちゃめちゃ好きで、実は20代前半某自動車会社に勤めてたので、あの曲を聴いて夕方の第三京浜や保土ヶ谷バイパスをクルーズするのが大好きだったんです。「Secret Samba」は「Secret Isle」という曲があって、そのリミックスバージョンをいろいろ作った中の1つですね。ジャングルドラムンベース・バージョンの「Secret Jungle」というのも、あります。
ガイド:
ラテンつながりで一つ脱線します。実を申しますと、サワサキさんが関わった最初の楽曲として僕が購入したのは、ソルトマティーナの『フリフリ!~魔法のケチャップダンス』に収録されていた「サワサキヨシヒロ LaTECHNO MIX」のリミックス仕事です。スペイン出身のLas Ketchupの大ヒット曲『Asereje』を調べていて、この和製Las Ketchupのカヴァーを見つけたのです。そして、サワサキさんのリミックスは、ラテンXテクノという自分の中では大好きな組み合わせだったのです。ラテンXテクノというのは、サワサキさんにとっては一つの重要なテーマなんでしょうか?
フリフリ!~魔法のケチャップダンス (amazon.co.jp)
フリフリ!~魔法のケチャップダンス
サワサキ:
実はそうなんです、ラテンXテクノ、ってのはかなり好きで、一時期そういうのを出してる世界のレーベルばっかり集めてたんです。15年前ぐらいにイビサに行って、Es ParadisっていうクラブでDJしたんですが、夜中のクラブもさることながら、昼間に海岸でやってるオープンなパーティーが最高で、ラテン的なテクノがガンガン掛かってて、今でもそういうパラダイス感ってのを日本でも出来ればなあと思うんですよいつも。温泉でいつかそういうの出来ないかなあと、ほんと思ってます。「サワサキくんはラテンディスコ、合ってるよ」ってよく言われるんで、次のアルバムは「ラテン温泉」で作ろうかな、っと(笑)。