グラフィッカー待望の「究極の1台」

マイクロソフトから発売されている「Surface Book」は、「The ultimate laptop(究極のノートパソコン)」と称されている、タブレット兼ノートパソコンです。

アメリカでは「2-in-1」「デタッチャブル」などと呼ばれ、取り外してタブレットとして、収めればラップトップ、ノートパソコンとして使えます。
左からクリップボード モード、キャンバス モード、ノートPC モード。

左からクリップボード モード、キャンバス モード、ノートPC モード。


タブレットとキーボードがセットになった製品はWindows 8がリリースされた際にも各社がこぞって発売していましたが、ほとんどの場合は「タブレット」としての機能が重視されていました。
当時はCPUパワーが非力なものが多く、Adobe PhotoshopやLightroomといったグラフィック系アプリケーションは起動させるにも時間が掛かってしまい、パワーが要求されるグラフィック系の仕事には、正直使えないものでした。

しかし昨今の「デタッチャブル」ノートパソコンは進化し、CPUパワーも強力なものがリリースされてきました。マイクロソフトからも、CPUパワーが強力な「Surface」「Surface Pro」が発売されています。ペンやキーボードの使い勝手も良いのですが、ディスクリート(分離した)GPUがないことから、正直、グラフィックアプリケーションをバリバリ使いこなすには若干力不足を感じていました。
そのような中、待ち望んでいたスペックを携えて登場したのが、Surface Bookだったのです。

グラフィック必須のパワーと繊細さをクリア

Surface Bookの特徴的なデザインとして、開く時にキーボードユニットが持ち上がりにくい工夫が凝らされたヒンジ部分や、液晶ディスプレイ部分が通常のノートパソコンよりも厚くなっていることがわかります。
Surface Bookの特徴的なヒンジ。

Surface Bookの特徴的なヒンジ。


13.5型の液晶ディスプレイ、モデルによってIntel® Core™ i5かCore i7が用意されているCPU、8GBか16GBが用意されているメモリ、128GB、256GB、512GBが用意されているSSD、1.5kgほどの重量など、スペック的にもモバイルノートパソコンそのものです。

しかしながらこのSurface Bookには、キーボードユニットの部分にディスクリートGPUが搭載されており、液晶ディスプレイ部分を取り外すとCPU内蔵のGPUが使用され、キーボードユニットに装着すれば、NVIDIAのGeForceシリーズのGPUが使われます。

重量1.5kgほどのモバイルノートパソコンでは、ディスクリートGPUを搭載しているものがほとんどないことから、Surface Bookは非常に大きなアドバンテージがあります。

さらに、このSurface Bookには、液晶ディスプレイがタッチ式というだけでなく、1024段階の筆圧に対応しているペンが付属されています。ペンに込める微妙な力の強弱により、繊細さが求められるグラフィックの作業もしっかりこなします。
ディスプレイの左側にマグネットでペンを装着できます。

ディスプレイの左側にマグネットでペンを装着できます。


ペンの筆圧に加え、指先でのタッチを併用することで、描画や調整の操作に集中でき、効率もアップします。
パソコンのパワーをフルに使った液晶タブレットとして、ペンに込める力の強弱を効かせながら線を描いたり細かい画像編集ができます。

パソコンのパワーをフルに使った液晶タブレットとして、ペンに込める力の強弱を効かせながら線を描いたり細かい画像編集ができます。


目に優しいディスプレイ

IPS液晶で非常に見易いディスプレイはギラつきを感じにくいので、グラフィックアプリケーションの作業にも集中できますし、Windows 10の機能を使ったカラーマッチングも可能ですから、目的の色味で使用できます。

ペン操作に慣れているグラフィッカーでしたら、マウス不要でディスプレイを逆向きに付けて反対側に折りたたむ(キーボードユニットを付けた状態での)キャンバス モードがベストでしょう。

動画をデータファイルとして取り込んでおけば、ポータブルDVDプレーヤーよりも大きな画面、タブレット単体でのフルハイビジョンの動画の再生もストレスがありませんが、手に持たずにそのまま動画を見続けるのであれば、私としては「テントモード」がおすすめです。

これはアメリカではメジャーな使い方となっており、設置面積が三角形の底辺部分だけという、ラップトップ状態の半分以下の設置面積で済みます。ただし、Surface Bookの場合、接地部分にあたるところに電源ボタンと音量ボタンがあり、接地面にラバーなどのクッションが施されていないため、接地面との間にタオルなど何らかの緩衝材を敷いたほうが安心かもしれません。
接地面が少なく動画を見るのに適したテントモード。

接地面が少なく動画を見るのに適したテントモード。


PhotoshopやLightroomを稼働させた感想

「実際にグラフィックアプリケーションなどを稼働させたらどうなの?」というところですが、Adobe PhotoshopやLightroomなどを使っての作業を、キャンバスモードで検証してみました。

グラフィックアプリケーションは強力なCPUが必要となりますが、Adobe PhotoshopやLightroomなどは、アプリケーションレベルでGPUに対応しています。「Surface Book」ではディスクリートGPUが活用できますので、CPUの負担が減り、結果、ストレスのない作業が可能です。さらに、Adobe PhotoshopやLightroomは、タッチ用のUIに切り替えることもできるので、Surface Bookととくに相性が良いといえます。

Photoshopでの細かい選択の操作は、幾層ものレイヤーを重ねた状態でも軽く、ペンタブレットを使い慣れた方ならいつものペン操作に加えて、指2本のスワイプによるアンドゥ操作がとにかく便利です。
Photoshopではペン操作のパーツのレイヤーの切り替えや色や明るさの調整もスムーズ。

Photoshopではペン操作のパーツのレイヤーの切り替えや色や明るさの調整もスムーズ。


Lightroomはタブレット感覚で今までにないRaw現像のスタイルを実現し、多くの写真の比較や選別もしやすく重宝します。タブレット状態でもタッチワークスペースにおいて現像が可能です。Windows 10は標準でRawファイルをサポートしているので、JPGやPNGと同じようにサムネイル表示されますから効率的に作業できます。
Lightroomのタッチワークスペースモード。もちろん通常モードでのRaw現像にすぐに切り替えられます。

Lightroomのタッチワークスペースモード。もちろん通常モードでのRaw現像にすぐに切り替えられます。


Illustratorは特にタッチワークスペースにおいて、ラフなイメージづくりがはかどります。Surface Bookのディスプレイはタッチに対応しているため、スマートフォンと同様、ピンチイン/ピンチアウトによる直感的な操作も可能です。その後、通常のモードに切り替えて細部を作り込んでいきます。
Illustratorのタッチワークスペースモード。スケッチ感覚で作業が進められます。

Illustratorのタッチワークスペースモード。スケッチ感覚で作業が進められます。


Windows版のみのグラフィックアプリケーションも数多くあります。その中のひとつである画像管理・編集アプリケーションの「Corel PaintShop Pro」も、筆圧を使ったブラシでの描画や調整が可能です。
Corel PaintShop Proの編集ワークスペース。筆圧によるペイントや細やかな調整が可能です。

Corel PaintShop Proの編集ワークスペース。筆圧によるペイントや細やかな調整が可能です。


屋外でも真価を発揮するスペック

屋内使いでの申し分のない性能を屋外でも発揮するためには、バッテリー駆動時間が重要なポイントになりますが、Surface Bookはディスプレイ部分のみを使うタブレット状態よりも、キーボードユニットの部分を装着した状態のラップトップ状態の方がバッテリー駆動時間が長くなります。

ディスクリートGPUを搭載したキーボードユニットですから、普通に考えれば余計にバッテリーを消費してしまうのではと思うところですが、Surface Bookはキーボードユニットの部分にもバッテリーを搭載しています。

つまり、キーボードユニット装着状態では、液晶ディスプレイとキーボードユニットの2個のバッテリーが使用できるようになるのです。このキーボードユニットのバッテリーが非常に強力なので、ディスクリートGPUを使用した場合でもおつりが出るほどバッテリーの駆動時間が延びます。

ですから、Surface Bookは屋外にでもキーボードユニットごと持ち出すべきです。

スケッチなどはディスプレイ部分だけのタブレットとして使用し、通常は常にキーボードユニットを付けたラップトップやキャンバスモードで使用した方が、Surface Bookの性能をフルに活用できます。
カメラとSurfaceを持って屋外へ。

カメラとSurface Bookを持って屋外へ。


グラフィックの様式を変えるデタッチャブル

Surface Bookはその性能だけでなく、デザインも非常に秀逸です。私は「光るキーボード」が大好きで、ノートパソコンを選ぶ際も必ずバックライト付きキーボードの有無を確認しています。Surface Bookはもちろんバックライト付きのキーボードです。
暗いところで光るキーボード。

暗いところで光るキーボード。


打鍵心地はしっかりとしていて、長時間の文字入力でも疲れません。
ただし、パッドの位置がホームポジションの中央ではなく筐体の中央に配置されているため、パッドでの操作は若干慣れが必要かもしれません。

操作で気をつけたいのは、Surface Bookはキーボードユニットから液晶ディスプレイ部分を外す際、専用のクリップボードボタンを押下げるか、もしくはタスクバーのボタンをクリックしてのソフトウェア制御になることです。ディスクリートGPUを使用しているアプリケーションが起動していると外すことができないようになっているため、起動中のアプリケーションの終了を促すアラートが表示されます。
クリップボードボタンと起動中のアプリケーションの終了を促すアラート。

クリップボードボタンと起動中のアプリケーションの終了を促すアラート。


アプリケーションが起動したまま不用意に外すとハングアップに繋がるため、アプリケーションを終了するのは多少手間かもしれませんが、軽さを追求するための「儀式」と思えばいいでしょう。

逆に、タブレットのみで本来ディスクリートGPUを使用するアプリケーションを起動させると、内蔵GPUが使用されるようになりアラートは表示されませんが、アプリケーションが使用しているのは内蔵GPUのままなので、ディスクリートGPUを使用したい場合は、そのアプリケーションを再起動させる必要があります。


以上、Surface Bookを実際に使ってみましたが、これは「非常に使える」ラップトップであり、デタッチャブルデバイスだと思います。ディスクリートGPUが必要となるグラフィックアプリケーションユーザーはもとより、長時間の入力を必要とするプログラマーの方にもお勧めできる一台です。

■Microsoft Surface Book - 512GB / Intel® Core™ i7 / 16GB / GPU
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・CPU: Intel® Core™ i5 , i7
・RAM: 8GB , 16 GB
・SSD: 128GB , 256GB , 512 GB
・\221,184 ~\372,384 (税込)

 
Surface Book 紹介サイト
Surface 新生活応援キャンペーン:SurfaceドックとSurface Bookの同時購入で10,000円キャッシュバック。4/3(日)まで。

取材協力:日本マイクロソフト

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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