聖母マリアに捧げられた大聖堂
ローマ四大バシリカの一つ、サンタマリア・マッジョーレ大聖堂は、その名前が示す通り、聖母マリアに捧げられています。真夏のローマで雪が降った場所に建造されたという美しい伝説から、雪の聖母(Santa Maria ad Nives)という別名があり、またローマ市民に親しまれる、救いの聖母マリアのイコンSalus Pupuli Romaniで有名です。中世にさかのぼるモザイクも必見。クイリナーレの丘の上に立つ聖堂の鐘楼はローマで一番高いので、ランドマークにもなっています。内部はバチカン治外法権エリアとなり、いつくしみの聖年の間は、通常は閉まっている聖年の扉が開いています(11月13日まで)。テルミニ駅に近いので、旅行者にはアクセスしやすいのも魅力。博物館、ショップ、考古学エリア、ファサードのモザイクを間近で見られるロッジャ(バルコニー)など、見どころもいっぱいです。
中世にさかのぼる貴重なモザイク
身廊に沿った左右の壁や内陣手前のアーチ(凱旋門)には、大聖堂建造時の5世紀にさかのぼるモザイクが残っています。サンタマリア・マッジョーレは、四大バシリカの中で最も建造当時の構造を残していると言われています。また、ファサードと後陣のモザイクは13世紀のものです。豪華なシスティーナ礼拝堂とパオリーナ礼拝堂
身廊右側にはシスティーナ礼拝堂があります。バチカン博物館の礼拝堂と同名ですが、こちらはシスト5世の礼拝堂で、同教皇とピウス5世の墓があります。この礼拝堂と内陣の間にはベルニーニの墓があります。反対側のパオリーナ礼拝堂はパウロ5世とクレメンテ8世の墓があります。1615年に支倉常長と謁見したパウロ5世の墓には、日本大使(=常長)のレリーフが刻まれています。有名な救いの聖母のイコンはこの礼拝堂でまつられています。内部は写真撮影禁止です。
ファサードのモザイクを間近で見る
サンタマリア・マッジョーレを正面から見ると、18世紀に付け足されたファサードの奥に13世紀のモザイクが見えます。実はロッジャ(バルコニー)に上がって、このモザイクを間近で見ることができるのです(5ユーロ)。表されているのは、雪の聖母の奇跡の物語です。また、パウロ5世の時代の部屋と、ベルニーニのらせん階段を見学したり、バルコニーから大聖堂前の広場を見下ろすこともできます。博物館と考古学エリア
大聖堂内部右側、洗礼礼拝堂の奥にショップがあり、そこから外に出ると、中庭に博物館(3ユーロ)の入口と、トイレがあります。博物館の一番の見ものは、アルノルフォ・ディ・カンビオ作のプレセーペ(キリスト誕生シーンの模型)。その他、ソドマやベッカフーミの絵や、ベルニーニの墓から出てきた剣や、葬式の記録などを展示したベルニーニ・コーナーもあります。大聖堂地下の古代ローマ遺跡ツアー(5ユーロ、イタリア語)はこちらで申し込めます。その他お役立ち情報
毎年8月5日は、雪の聖母の奇跡を祝って、朝と夕方のミサのときに天井からバラの花びらを撒かれるほか、夜には大聖堂前で、降雪を再現する光と音のショーがあります。ちなみに、iPhone, iPadユーザーなら、大聖堂入口のパネルに印刷されているQRコード、またはアップルストアから、大聖堂ガイドのアプリをDLでき、観光にも便利です。
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■Basilica Santa Maria Maggiore (サンタマリア・マッジョーレ大聖堂)
住所:Via Liberiana, 27 00185 Roma
開館時間:7:00~19:00
アクセス:テルミニ駅から徒歩5分
注意点:肌を露出した服装では入場不可。入口でセキュリティ・チェックがあります。刃物など危険物は持ち込めません。