春着物お出かけシーン別 コーディネート実例
春着物ならではの着こなしを楽しんでみましょう。
そこで今回は春に着物で出掛けてみたいシーン別に、オススメコーデを挙げてみました。注意点やコーディネートのポイントも解説していきます。
【目次】
▼春着物お出かけシーン別 コーディネート実例
・「昼間のお花見」は、半幅帯とウレタン底の履物でラフに
・「夜桜デート」は、シックな紬にゴールドを効かせて
・「歌舞伎鑑賞」からの銀ブラDAYは、小紋を帯で格上げ
▼もっと知りたい、春着物のトーン&マナー
・春着物ならではのプラス1テクニック
・「帯付き」でのお出かけは、マナー違反?
「昼間のお花見」は、半幅帯とウレタン底の履物でラフに
外を楽しむなら汚れの目立たない着物は便利
・着物や帯は、写真のようにハッキリとした色や柄物を選ぶと、汚れが目立たなくて安心です。ネイビーとオレンジの大柄チェックの紬に濃いオレンジ色の半幅帯を合わせました。
・お昼間のお花見や散歩には、汚れても気にならないもの、シワが気にならないものが最適です。公園内を歩き回ったりするようなお花見の場合、着物の素材もポリエステルなどの化繊や木綿の「洗える着物」を活用すると言う手もあり。
・履き物は、足への負担が少ないウレタン底になっていたり、鼻緒の当たりがソフトで楽に歩けるものをチョイスするのがオススメです。
「夜桜デート」は、シックな紬にゴールドを効かせて
夜桜はシックな雰囲気で
・特に、大島紬や結城紬などの少し手の込んだ「小紋」の着物を選ぶとちょっとおしゃれな雰囲気になります。
・この時期は「花冷え」といって日が落ちると、急に寒くなったりする場合があるので、室内との温度調整可能なストールやコート、羽織などを持って出かけましょう。
「歌舞伎鑑賞」からの銀ブラDAYは、小紋を帯で格上げ
普段の小紋も格のある帯をすると全体の格が上がる。
・「着物を着て行く」ということ自体が歌舞伎鑑賞の一部と考えて、少し華やかな小紋に織の洒落袋や名古屋帯などを合わせてみては。
・小紋は普段着(洋服でいうと平服)になりますが、格のある帯をすると全体の格が上がり、普段よりも少し格が高くなります。写真は、加賀友禅の小紋にかくの高い柄、青海波文様の名古屋帯を合わせています。
・必ずこうしなければいけないというわけではありませんが、ちょっと着姿に重みが出て、普段着よりもワンランクアップした印象になりますよ。
春着物ならではのプラス1テクニック
■肌寒いけれどコートは重いとき、「春色ストール」を活用・大判のパシュミナストールをフワッと巻けば、着崩れも心配ナシ。バッグの中に一枚入れておくと便利。
・【名古屋帯/角だし】粋を演出する帯結びです。
・【名古屋帯/利休】お太鼓結びよりもすこし小さめで、動きのある帯結びです。
・【袋帯/二重太鼓】お太鼓の部分が二重に重なった帯結びです。
・帯締めと帯揚げの結び方でバリエーションをつけましょう。
■小物の色合いにも春らしさを
・濃い色を使うよりも、パステルカラーなどの薄い色を帯締め、帯揚げ、半衿などの小物に投入すると、一気に春らしさがアップ。
「帯付き」でのお出かけは、マナー違反?
「帯付き」とは、コートや羽織の羽織ものを着ない姿のことで、一説には帯付きでの外出はマナー違反! と言われる事もある様です。確かに昔は羽織ものなしで、帯を見せて外を歩くのは粋筋の人(花柳界の人。芸者や遊女を指す)と言われた時代もあったようですね。
でも、オフィシャルな席に出る以外は、今どき、そんなに目くじらを立てるような事ではないと思っています。マナーというよりも、今の時代の気候や感覚に合った着方をして、暑さや寒さ、そして、塵よけという、どちらかというと実用的な事で羽織ものを着るかどうかを判断していけばいいと思います。
今まで着ていたコートや羽織を脱いで帯付き姿になると、ちょっと気恥ずかしいと思う感覚と共に、「ああ、春がきたな」という気持ちになる。そんな感覚の方が、今の時代に合っているのではないでしょうか。
そして、帯付きになると、今までコートや羽織で隠れていた帯や着物が見えるようになるのもポイント。
着る時には最後の仕上げまで手を抜かずに、おはしょりはきれいか、帯結びは傾いていないか、背中にシワがないかなどの最終チェックをお忘れなく。着物で春を100倍楽しんで下さいね。
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春の着物コーディネート術