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国際基督教大学(ICU)(3ページ目)

日本の大学で、もっともアメリカのリベラルアーツ系大学に近いといわれている国際基督教大学のユニークな教育とはいったいどのようなものだろうか。すばらしい教育環境と合わせて解説します。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

国際基督教大学(ICU)の入試傾向

国際基督教大学(ICU)は、入試もまた非常にユニークだ。一般入学試験の場合、以下のように4種類からなっている。

■リベラルアーツ学習適性(試験時間70分、配点80点、問題数80問)
出題は様々な分野にわたる。基本的には、国語、数学の基本などの一般常識能力を調べる問題。短時間に物事を論理的に判断する能力を見ている。対策として、就職用の一般常識試験対策(SPI)の問題集などを実践してみるとよいだろう。

■人文科学(試験時間70分、配点80点)
文学、哲学、芸術、宗教などの分野から出題される。リベラルアーツ学習適正と異なり、じっくり物事を判断する能力を見ている。普段から、幅広く読書をして、抽象的に物事を考える能力に慣れている必要がある。付け焼き刃で解くのはなかなか難しい。

■社会科学または自然科学(試験時間70分、配点80点)
どちらかを選んで解答する。社会科学の場合は、政治、経済、歴史、社会などの分野から、自然科学の場合は、数学、物理、生物、化学の4分野から2分野を選択する。単なる暗記だけではなく、用語に対する本質的な理解能力が試されている。わからないものも前後関係から類推する力も求められる。

■英語(リスニング含む)(試験時間90分、配点90点)
まず最初にリスニング(約30分)があり、その後読解(60分)テストがある。リスニングのレベルもかなり高い。日頃からラジオなどで毎日練習する必要がある。「英語でものを考え、理解し、分析する能力」が要求される。他の一般的な私立大学とは、かなり違った入試問題と考えたらいいだろう。対策としては、TOEFLやTOEICの問題集などを実践するのも効果的だろう。

このような内容を見れば、求めている学生像が自然にわかってくるだろう。自分で論理的に考えて行動できる学生だ。国際基督教大学(ICU)の入試対策は、通常の入試対策では間に合わない。高校生の1・2年生の間から様々な分野の読書をし、物事を論理的に考える訓練が必要だ。社会的な問題に対する意識を持つことも必要だろう。本当の意味で、「大学で勉強をしてみたい」と思う学生にとっては、最適な環境ではないだろうか。
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