日本国内で見られる日食としては4年ぶり

突然ですが、お手元に月相図(月の満ち欠けのマーク)が載っている手帳やカレンダーがあったら、3月のページを見てください。3月9日(水)に新月のマークがついていますよね。この新月、ただの新月ではありません! 日本では「部分日食」になります。

そもそも日食とは、月が太陽の前を横切ることで、地球から見える太陽の一部分、もしくは全部を隠してしまう現象のこと。太陽―月―地球の順で3天体がほぼ一直線に並ぶとき、つまり新月のときに起こります。

とはいえ、新月のたびに日食になるわけではありません。その理由は、太陽の周りをまわる地球の軌道に対して、地球を周回している月の軌道が約5度傾いているため。もしも、この傾きがなかったら、新月のたびに太陽と月は重なって日食になるはずです。

日食は3タイプ

日食には、大きく分けて3つのタイプがあります。

・皆既日食
太陽と月の中心がほぼ重なって、太陽全体が月に隠されるタイプ。

・金環日食
太陽と月の中心はほぼ重なるものの、月が地球から遠く離れたところにいて、月の見かけの大きさが小さいために太陽全体を隠すことができず、太陽の縁がリング状に見えるタイプ。

・部分日食
太陽と月の中心は重ならず、月が太陽の一部分だけを隠すタイプ。


2016年3月9日は、インドネシアなど東南アジアの一部の地域では皆既日食に、日本では部分日食として見られます。日本国内で見られる日食としては、2012年5月21日の金環日食以来で、およそ4年ぶりです。

気になる2016年の部分日食は?

日本国内で見られる部分日食は、食の始まりから終わりまでを観察できる好条件です。
下記のように、観察できる時間帯は地域によって異なりますが、だいたい午前10時頃に欠け始め、11時頃にもっとも大きく欠けて、12時頃に終わる、を目安としてみてください。

(※以下の時間表記は、秒は切り捨てています)
【札幌】
食の始め:10時38分
食の最大:11時18分
食の終わり:11時57分

【仙台】
食の始め:10時21分
食の最大:11時13分
食の終わり:12時05分

【東京】
食の始め:10時12分
食の最大:11時08分
食の終わり:12時05分

【京都】
食の始め:10時06分
食の最大:10時59分
食の終わり:11時53分

【福岡】
食の始め:09時56分
食の最大:10時45分
食の終わり:11時37分

【那覇】
食の始め:09時29分
食の最大:10時29分
食の終わり:11時33分

東京の部分日食

東京の空では、太陽がこんなふうに欠けて見えます


太陽が月に隠される割合は、南東方面へ行くほど大きくなりますが、那覇でも20%程度の欠け具合で、やや控えめ。皆既日食や金環日食のようなダイナミックな変化は見られませんが、丸いおせんべいをひと口だけかじったような形に、いつもの太陽の姿とは違うおもしろさが味わえそうです。

日食時間帯の太陽は、南東から南の方向の空にいます。当日は、その方向が高い建物などでさえぎられることのない場所を選んで観察しましょう。

日食観察の心得

部分日食のイメージ

太陽が欠けていく様子は、とても神秘的です

今回の部分日食は、太陽が月に隠される割合が大きくないものの、肉眼で直接見るのは太陽を直視しているのと同じこと。絶対にしてはいけません! 「ちょっとくらいなら……」という気持ちはわかりますが、目を傷める可能性があるのでキケンです。

観察の際には、必ず専用の道具を使いましょう。おすすめは「日食グラス」。最近は大手の生活雑貨店やインターネットの通信販売などで手に入り、値段もお手頃。メガネのような体裁で、使い方も簡単です。ただし、日食グラスで観察する場合でも、長時間の使用はNG。ときどきグラスをはずして、目を休めるようにしましょう。

海外や離島など、遠くに出かけることなく、いつもの暮らしがある場所から日食が見られる機会は、そう多くはありません。3月9日の部分日食は、人生の中の特別な時間。

・日食の時間帯
・太陽の見える方向
・観察方法

以上をしっかりとおさえて、この機会を逃さないようにしたいものです。

ちなみに、次回日本で見られる日食は、2019年1月6日の部分日食。3年ほど先になります。
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