「ごめんなさい」を言えない子
「ごめんなさい」を言えない子には、その子なりの理由があります
自分が悪かったと認めてしまうと、いっそう激しく責められてしまうのではないかという恐怖があり、正直に言い出せないこともあります。自分の非を認めると、自分は悪いやつだと思われて、これまでの関係が崩れてしまうのではないかという怖れを持つ子もいます。
自分の失敗が見つかった時、とっさにごまかして、小さな嘘をついてしまうことは大人にもありますよね。自分の非を認めると、思わずついた嘘の分まで怒られる……そう思ったら、いよいよ「ごめんなさい」は言いづらくなってしまいます。
謝れないことのデメリット
自分の非を認めない、かたくなな態度は、家の中だけではなく、学校の先生やお友だちとの間でも、同じように繰り返されていると思った方がいいでしょう。親が苛立つなら、先生やお友だちも同じように感じている可能性は高いと思われます。その場は逃げ切れたとしても、適切に謝ることができなければ、周りの信頼を失っていくことにもつながります。その子自身の中にも、何かしらの後ろめたさや罪悪感は残るものです。「自分はうそつきだ」と自分を責めることがあるかもしれません。また、過ちを指摘して「自分にうそをつかせた」相手を逆恨みするかもしれません。これはあまり健康的とは言えません。
「言い訳するな!」と怒っていませんか
なぜ、この子は謝らないのか。見え透いたうそをついてしまうのか。親は頭を悩ませますが、多くの場合は、その子にも「言い分」があるのではないでしょうか。謝ると、あれもこれも自分のせいにされてしまうのではないかと思うと、なかなか素直に「ごめんなさい」とは言えないものです。子どもが謝った途端「ほら、やっぱりアンタが悪かったんじゃないの!」と怒ってはいないでしょうか。子どもたち、特に男の子たちは「言い訳するな!」と育てられることが多いようです。すべて認めて、潔く謝るのが「人として立派なこと」「男らしいこと」とされてきたからです。でも、「自分も悪い。でも、アイツも悪い」「自分がやったことで、まさかこんなことになるとは。こんな結果は望んでいなかった」ということもたくさんあります。
「言い訳するな!」「自分が悪いと潔く認めろ!」と責められ、うつむいて「ハイ」と答えながら、悔しい思いを呑み込んできた、元・子どもの私たち。同じことを子どもに対してやっていないでしょうか。
>> 子どもには子どもなりの理由がある