株安の本当の理由は?
株安はあと半年
株安の理由を、原油安や中国経済と考えることは一般的ではありますが、正しいとは限りません。原油が安いことは、経済に良い影響がたくさんあります。特に資源の乏しい日本経済には強力な推進力となります。
中国経済の減速とも言われますが、中国官僚の経済統制は、かつての日本の失敗に学んで、上手くやっています。今でも世界経済に対して、中国が大きな役割と貢献を果たしていることは否定できません。
理由を探しても仕方がない
では、なぜ株価は急落したのでしょうか?株価が下がることに理由は要らないという見方もあります。株価は下がるべきして下げた。上がるときには、何も理由がなくても上がる。株式市場は、市場の摂理で勝手に動いているという解釈もあるのです。
その不思議を解明しようとする人間の技術が、テクニカル分析といわれる手法です。たとえば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ・テクニカルアナリストの宮田直彦さんは、こう語っています。
「エリオット波動は相場が何かを教えてくれる」
エリオット波動で未来が分かる?
エリオット波動とは、相場にある歴史的なサイクルのことです。過去のパターンから、未来の波動を予測することができると考えます。1929年の世界大恐慌や、1987年のブラックマンデーを的中させたことから、注目を浴びることとなりました。相場には「上昇5波、下落3波」が基本のサイクルと定義されます。長期のサイクルでは、日経平均は93ヶ月ごとに安値をつけていますが、今は下落の第2波の真っ最中。そして、次の大底が2016年秋という。
日経平均14,000円、ドル円100円
以下、宮田さんのレポートの要点です。・日経平均の大底は、14,000円。底入れするのは、最短で1ヶ月、順当なら3-4か月かかる。
・目先の上値抵抗は、16,385円。これを超えると、4月にかけて18,000円を試す展開もあるが、最終の底入れではない。
・円高は、2016年5月に頃に1ドル=100円まで進行する。
・今秋の下落第3波が終わると、次には猛烈な上昇相場が始まる。
宮田さんの言う通りになると保証するわけではありません。しかし、株価下落に絶対的な理由がないからといって、株価の急反発を期待する人には、一つの見識として参考になると思い、ご紹介しました。
ご興味のある方は、サイトで、デイリーレポートが公開されていますので、ご覧ください。証券会社のレポートにしては、セールストークがなくて、客観性の高いリサーチ結果と思います。
宮田エリオット波動レポート
相場は投資家をフルイにかける
いずれにしても、株価が動く理由には、人知を超えたものがあります。これを安易に解説することには、大いなる危険があるわけですが、強いて言えばこんな理由を考えられます。相場は、大衆投資家を振り落とすために、気ままな動きをしている。
相場で、勝者と敗者を明確に峻別するために、過激なブレを演じている。
しかし、気ままに見える動きが定期的だとしたら、知恵のあるものが勝者となるはず。
あと半年、がんばりましょう
この株安はいつまで続くのかと、お客様から問い合わせがきますが、あと半年くらいは辛抱してくださいと私は答えています。何もしないで耐えるのではありません。これから半年は、定期的な資金投入を自動的に継続するのです。どんな達人でも、株安の大底をピンポイントで予測することはできないので、本格反発が確認できるまで、資金投入を続けることが有効です。普通の人は、反発を確認してから投資を再開しようと考えますが、それでは高値掴みになってしまうからです。半年後には、投資資金がなくなってしまうくらいに、これから半年の資金投入が大切です。