人気を博すスーパーボウルCMにもヒップホップアーティスト達を起用
スーパーボウルで流れるテレビCMも人気の一つで、中にはCMを見るためにスーパーボウルを見る人もいるそうです。
企業側にとっても高視聴率が取れるこの日は、良い宣伝に繋がるので力を入れてクオリティーの高いものを制作しています。内容はアメリカ人の好きそうなユニークなものが多く、有名人を起用したり、特殊効果を使ったりと、見る側を楽しませてくれます。ちなみにスーパーボウルでのCM放映料は毎年高くなる一方で、今では約30秒間でなんと約450万ドル(約5億2千万円)もするのだそう。
リル・ウェイン「Apartments.com」
おなじみ、リル・ウェインは「apartments.com」のCMでアメリカの初代大統領ジョージ・ワシントン演じる人物と共演。俳優のジェフ・ゴールドブラムが70年代に流行った「The Jeffersons」というドラマのテーマ曲「Movin On Up」を歌い、ゴージャスなマンションの最上階に上がると、「The Jeffersons」の主人公カップルと同名のジョージとウィージィー(ウィージィーはリル・ウェインのあだ名でもある)がいるというオチ。
ドレイク「T-Mobile」
ドレイクは「T-Mobile」という携帯電話のCMに出演。昨年の夏にヒットした自身の曲、「Holine Bling」のミュージックビデオを取り入れた笑える展開になっています。同ミュージックビデオと同じセットでドレイクが踊るシーンから始まり、クライアントから宣伝用に「Holine Bling」のリリックを変更してほしいという要求をされ、ドレイクは笑顔で承諾。最後はセットのボックスに入れてほしいというクライアントのセクシーでぎこちない踊る姿で終わり、笑えます。
T-ペイン「ミニ USA」
ミニUSAのCMには、主に2000年代半ば頃に活躍していたT-ペインが登場。「Buy U a Drank」など、オートチューンというソフトを使った声を曲中に使い、ヒットを生み出しました。こちらのミニUSAのCMにはT-ペインの他に、テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズやスケートボード界のレジェンド、トニー・ホークらの有名人が出演しています。CMのテーマは“Defy Labels.”。人は何かにつけて他人に対する評価をつけたがりますが、他人の評価を受け容れるのではなく、自分のことは自分自身で定義しようというメッセージが込められています。出演達が過去に言われてきた他人につけられたレッテルとそれをどう克服したかについて語る動画もあり、T-ペインは「“才能が無い”とか“ゲットー”、“偽物”などと言われてきたけど、自分自身でい続けることで、そういう批評を打ち負かしてきた」と言っています。
他にも過去のスーパーボウルのCMに多くのラッパーが出演してきました。
ディディー「ダイエットペプシ」
2005年にはディディーがダイエットペプシのCMに。授賞式に向かう車が途中で故障してしまったディディー。ダイエットペプシのトラックの運転手に拾ってもらい、そのまま授賞式に現れます。そのトラックが流行となり、スポーツ選手やら女優、ラッパーからおばあちゃんまで皆がダイエットペプシのトラックをマイカーとして持つようになるというストーリー。
エミネム「クライスラー」
2011年にはクライスラーのCMにエミネムが出演。エミネムの出身地であるミシガン州はデトロイトを舞台に、労働者達のハードワークの力強さを美しく描いています。途中から流れ出すエミネム主演の映画「8マイル」のテーマ曲でもある「Lose Youreself」がCMとすごくマッチしていて、鳥肌ものです。
スヌープ・ドッグ「Eat 24」
スヌープ・ドッグは昨年フードデリバリーのサービスを提供する「Eat 24」のCMに出演。空腹によって生じるコントロール出来ない叫びや幻覚などの不快な症状を俳優/コメディアンのギルバート・ゴットフリードが演じ、スヌープが推奨するEat 24でフードデリバリーしてハッピーになるという展開。
彼らの他にもLLクールJやバスタ・ライムス、パブリック・エナミーのフレーバー・フレーブやウィル・アイ・アムなども過去のCMに出演した経験があります。ヒップホップはキャラが濃いアーティストが多いので、存在感だけでも十分画になりますね。来年のスーパーボウルもどんなCMが出てくるのか楽しみです。