筆者が指導の場としている大学の体育授業は、近年多くの大学で種目選択制になっており、学生自身の興味に応じて種目を選ぶことができるようになっています。しかし、その反面、授業クラスの男女比に極端な差が生じることがあり、授業の後半で行うゲームでは「男女混合チーム」を編成し実施せざるを得ないことがよくあります。

ソフトボールに限らず、スポーツを行う際に一番大切なことは安全の確保です。特に、男女が同じフィールドでプレーする場合、男性よりも体格や筋力が劣る女性への配慮は不可欠です。

今回は、筆者が「ゲームの楽しさ」が低下することのない、安全で有効と感じている、『男女混合ソフトボール』実施のためのアイディアをご紹介します。


女性は三振ではなく「四振」までOK

通常、スリーストライク(三振)でバッターアウトになりますが、女性に限りフォーストライク(四振)までオッケーという特別ルールです。筆者のソフトボール授業を履修した大学生に対する調査では、男子の83.8%、女子の60.0%が「楽しい試合展開に効果的だった」と回答しています。この他にも、女性がバッター時には、三振制度自体を廃止し、フェアゾーンに打球が飛ぶまでOKという方法もあります。


飛距離が出ない女性もエンジョイできる2つの特別ルール

運動・スポーツ歴が豊富な女性には、バッティングの飛距離が男性に引けを取らない方もおられますが、そうでない方の中には「バットに当てるのがやっと」という方も多くおられます。この場合、通常のルールのままゲームを行うと、殆どが「ピッチャーゴロ」となってしまいます。それでは、男女混合で試合をしてもいまいち盛り上がりに欠けるでしょう。筆者は、大学の授業で以下の2つの特別ルールが有効だと感じています。

(1)女性の打球が内野ゴロの場合はセカンドベースを経由して一塁へ送球する
内野ゴロは直接一塁へ送球するのではなく、二塁ベースを必ず経由して一塁へ送球することで、「バットに当てるのがやっと」の女性でもセーフになる確率が高くなります。守備側においては、ダブルプレーのイメージでボールを回します。このルールは、打った女性も全力疾走し、守る側も素早いボール送りが必要となり、とても盛り上がる特別ルールの1つです。

(2)本塁からの10メートルの半円内は捕球不可
このルールは、下図のような半円をラインカーなどで描き、この枠内からボールが出るまではボールを捕球できない、というルールです。遠くに打球を飛ばせない女性でも、バントなどでこの枠内に巧みにボールを止めて出塁しハッスルプレーをするシーンが何度も見られました。
半円

半円内は捕球不可



女性が守備の場合に有効な特別ルール(1) 
<内野ゴロはグラブに入ればアウト>

女性が内野守備についた場合「グラブの中にボールが入ればアウト」という特別ルールも有効です。ただ、現実的にはソフトボールや野球の経験の無い女性が内野を守ることは、安全の観点から避けた方が良いでしょう。このルールを導入し、女性が内野を守る場合は、ボールの種類を【グリーンソフトボール】や【学校体育ソフトボール】などの、やや柔らかい素材のもので行いましょう。筆者のソフトボール授業を履修した大学生に対する調査では、男子の72.9%、女子の80.0%が「楽しい試合展開に効果的だった」と回答しています。


女性が守備の場合に有効な特別ルール(2) 
<外野フライはワンバウンドまでがアウト>

同様に、女性が外野守備についた場合「ワンバウンドキャッチまでがアウト」という特別ルールも有効でだと思います。筆者のソフトボール授業を履修した大学生に対する調査では、男子の62.1%、女子の80.0%が「楽しい試合展開に効果的だった」と回答しています。


今回紹介した女性に対する特別ルールは、参加者の運動経験や年齢層に応じて、チョイスされるべきだと思います。

例えば、打球を胸に受けると心臓震盪など命にかかわるリスクも生じることがあります。男女混合でソフトボールを楽しむためには、体格や筋力が異なることを良く理解し、【柔らかい素材のボールで行う】ことや、【あらかじめ女性の守備位置を制限する】などの確認も必要になるかもしれません。

内野の中でも、特に、ピッチャー、サード、ファーストなどは特に速い打球が飛んできます。ソフトボールの塁間は、野球の3分の2しかありませんので、なおさら打球の到達が速い場合があります。男女混合に限らず、幅広い年齢層が参加するソフトボールの場面でも、こうした点をよく考慮し、安全にソフトボールを楽しんで頂きたいと思います。
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