体育授業や学校行事でソフトボールを経験した方は多いと思います。一時、体育授業でソフトボールがあまり行われていない時期もありましたが、2012年より義務教育で「ベースボール型」が必修化されたことから、今日では全国的に学校体育でソフトボールが行われています。

ただ、一般的なソフトボールのルールや用具に少しアレンジが加えられています。今回は、その「学校体育ソフトボール」の概要をご紹介したいと思います。


フィールドの大きさ

学校体育ソフトボールでは、塁間は中学生:18.29m、小学生:16.76mとされ、投捕間の距離は、中学生12.19m、小学生:10.67mとされています。

ただし、体育館など屋内で実施される場合などをはじめ、これらの距離や広さは変えることができ、特別ルールなどを定めるなどして安全性に十分に配慮することが推奨されています。


用具のルール:ボールやバットがやわらか素材!

ボールはソフト加工が施され、通常の3号球(約190グラム)よりも軽い(約163グラム)『学校体育ソフトボール3号球』が用いられます(小学生は2号球)。

バットについても、専用の『学校体育検定バット』が市販されており、芯の部分は柔らかく安全性が第一に考慮されています。

グラブやミットは通常のソフトボールで使用されるものが使われます。キャッチャーマスクやヘルメット等は「必要に応じて使用してもよい」とされており、このルール規定からも用具の安全性が読み取れます。

シューズは運動靴の使用が明記されています。そもそも、学校体育授業向けのためスパイクの使用は考え難いですが、「金属製のスパイクは禁止」とされています。


試合のルール:試合は30分以内!

試合は5回まで

試合は5回まで

1チームは原則として10名(男女混合でも可)、試合は5イニングの表裏の攻撃で得点が競われます。また、試合時間は原則30分以内を原則とし、授業における試合の方法については児童・生徒の実態を踏まえて柔軟に工夫することが推奨されています。例えば、攻守交代はスリーアウト交代にこだわる必要はないことなどが挙げられています。

 


投球は打者が打ちやすいボールを投げる:ウインドミルの禁止!

投球のルールには下記の3つが挙げられています。

1.投手は、両足を投手版の上に置き、投球腕を肩を軸にして振り子のように振って、一歩踏み出して投球する(スタンダード投法)。
2.投手は、打者が打ちやすい山なりのボールを投げる
3.ストライクゾーンは、打者が打撃しようとするときの肩から膝頭の底部とする。

ここでは、投げ終えた後のピッチャー返しの打球に十分注意することや、投手はできるだけベースボール型の経験者が務めることが望ましいとされています。

対象が異なりますが、著者は大学の体育でソフトボール授業(3号球使用)をしていますが、過去にピッチャー返しを避け切れず、鼻の骨を折った学生が実際にいました。学校体育ソフトボールの場合、ボールが柔らかい素材で加工されてはいますが、バッターに一番近いポジションであるピッチャーの安全には特に注意が必要であると思います。


バッティングのルール:バントは禁止!

バッティングのルールとして、

1.デッドボールは無し(フォアボールと見逃し三振はあり)
2.バントをした場合はアウト

とされています。


走塁のルール:スライディングはダメ!

走塁のルールとして、

1.走者は、打者が打った後、離塁することができる。
2.走者の盗塁は禁止とする。
3.走者のスライディングは禁止とする。
4.野手の悪送球については1個の安全進塁権が与えられる。


このように「学校体育ソフトボール」は、安全第一の考えのもとにルールが規定されています。これは、近年、子どもたちが外で遊ぶ時間が以前よりも減っていることや、それに伴う体力低下に関する要因、そして、保護者と学校間のトラブルになることが多い授業中の事故や怪我を出来るだけ回避したいという観点からもそのような配慮がなされていることが考えられます。


【参考文献】(財)日本ソフトボール協会、学校体育ソフトボールガイドブック-学校体育ソフトボール基本ルール解説-、2010年
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。