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日本はニッチになってSCEはSIEに(3ページ目)

長らくゲーマーに親しまれてきたSCEという名前が無くなります。ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)は、ソニー・ネットワークエンタテインメントインターナショナル(以下SNEI)と統合され、新会社は「ソニー・インタラクティブエンタテインメントLLC(以下SIE)」となります。SCEという名前が無くなることは大変に寂しいんですが、この統合にはそれ以上の意味があります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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日本のPS4はどうなるのか?

ドラクエとFFとPS4の図

かつてのような盛り上がりを取り戻すのは難しいでしょう。だからといって、全部がダメになってしまうわけでもありません。(イラスト 橋本モチチ)

ソニーのゲーム部門は北米に本拠地を移した、というのは非常に象徴的なので、大変に悲観的になる人達もいるかもしれません。それは、大きな時代の流れの捉え方としてはおそらく正しいものです。ただし現状が大きく変わるかというと、少なくとも短期的にはそう大きくは変わらないんじゃないかと思っています。

そもそも、時代の流れにあわせて枠組みを変えていっているのであって、もともとPS4は海外市場の方が戦略的な優先順位は高かったでしょうし、だからといって日本市場を完全に無視しているわけでもありません。また、ゲームビジネスにおいてオンラインサービスが非常に重要になっているのも、今に始まったことではないのはご存知の通りです。その現状に組織の枠組みをあわせていったということです。ちなみに、本社こそ北米に移しますが、日本とロンドンにはグローバル規模でビジネスオペレーションをする組織を設置するともしています。

2016年のPS4は「FINAL FANTASY XV」も発売予定、バーチャルリアリティシステムのPSVRも登場、2017年前半までには「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」の発売も見込まれ、これまでよりも盛り上がることが期待されます。国内PS4市場において2016年は重要な年で、より一層力を入れた展開をしてくるものと思います。ここら辺の流れが、今回の組織統合でガラッ変わってしまう、ということは考えにくいことです。

まとめますと、2016年のPS4は、これまでよりも充実したラインナップで大変期待されますし、力を入れてくるとは思いますが、それでも日本の据え置きゲームハード市場の現況を考えれば、日本はコンシューマーゲームの中心地にはなり得ないということです。

日本が中心じゃないとダメなのか、と言われると、中心だった方が嬉しいし、世界中で一番盛り上がっていてくれたら楽しいんですが、中心じゃなくなったから急に面白くなくなっちゃうというものでもありません。意外と、どんな時も、面白いゲームというものはあるものです。日本のコンシューマーゲーム市場はニッチになってしまったんだなあとちょっとしょんぼりしつつも、「ドラゴンクエストビルダーズ」を遊んで、うわー楽しーってなってるんです。それでいいと思います。

時代は変わっていきますが、楽しいゲームを探して遊ぶ、それはきっと、明日も明後日も来年もその先も、そんなに変わりません。いつもいつでも、楽しんでいきたいと思います。

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