話題の電気自動車「テスラモデルS」4WDモデルは全輪駆動の無音マシーン
テスラモデルS。気になっている方も多いことだろう。特に最近になって、ショールームのある東京や大阪では、モデルSの存在感あるサルーンスタイルを街で見かけることも多くなった。
実はけっこうなビッグサルーンである。4ドアではなく5ドアだ。全長5mはともかく、幅が2m近くあるから、ある意味、日本では“特別な車両”に属する。サイズだけを考えれば、最高級サルーンと同じカテゴリーだから「すべての人にオススメ」とはいかない。
2012年にアメリカでデビュー。翌年から日本での販売も始まった。アメリカの西海岸、それも裕福な住宅街では、本当によく見かけるようになった。その他、ノルウェーのオスロにも多い。ゼロエミッションカーが優遇されている街のお金持ちがこぞって乗る。それがモデルSのスタンダードなパターンだと思う。
ハンドルがあって、シートがあって、タイヤ4つに、動力源としてのモーターがある。セダンとしては、極めてスタンダードなモデルでもある。そういう意味では、何も新しくないクルマ、だ。けれども、テスラ社という新興のメーカーが、これまでの産業構造や生産形態、販売手法の常識を打ち破って最新のEVカーを世に送り出した、という点が、特に守旧派にとってショッキングな出来事だったのだろう。
2015年に日本市場へもデュアルモーター搭載の全輪駆動仕様が導入され、そのパフォーマンスの凄さに専門メディアもどよめいた。筆者も初めて試したときには、5000万円スーパーカー級の加速に、腰を抜かしそうなくらい驚いたもの。しかも、クルマとしての完成度は、今世紀になってから誕生した自動車メーカーにしてはかなりのレベルで、欧州プレミアムスポーツサルーンのような総合パフォーマンスの高さを求めないかぎり、日常利用には十分の性能を有す。
モデルSのラインナップは、見た目にちょっと複雑だ。けれども、法則を理解すれば、さほど難しいものじゃない。まず、グレード名の数字は、その昔のガソリン車が排気量で格を競ったように、リチウムイオンバッテリーの容量(kWh)を表す。数字が大きいほど容量も大きく、許容するパワーも大きい。同じ仕様であれば航続距離も伸びる。そして、当然ながら、値段も高い。
モデルSには現在、4つのバッテリー仕様が用意されている。下から順に、70、85、90だ。この二桁のあとに何もつかない仕様はモーターをリアに積む後輪駆動グレードで、デュアルの頭文字であるDが付くとフロントにもモーターを装備した全輪駆動グレードとなる。さらに、二桁数字の前にPが付くと高性能仕様というわけだ。ちなみに90はP85Dのアップグレード版として存在する。
購入方法は、簡単だ。テスラのサイトを開く。コンフィギュレーターで仕様を決める。そして、クリック。アップルで自分好みのマックを設計して購入するのと何ら変わらない。