3位:あけすけな仲良しアピールをしない
常々思うことだが、仲の良いバンドほど、わざわざ「仲がいいんですよ」と言ってこないものだ。仲良しアピールをしていた矢先に、バンドを裏切る理由で脱退を表明するメンバーもいたりと、自称仲が良いというものほど当てにならない。ステージングを見ていれば合わさる音なり立ち振る舞いなどからその雰囲気というのは十分に伝わってくるものだ。互いに嫌なところを言える仲こそ健全な関係であり、喧嘩やぶつかり合いをまったくしないというのを聞くと逆に少々心配になる。
2位:全員が話す
こちらからメンバーに順番に話を振らなくとも、メンバー同士で会話が弾んでいるバンド、つまりメンバーの発言に互いに関心を持っているバンドは、いつも和やかな雰囲気で、本当の意味での仲の良さを感じる。人を介さなくても自然と話の弾んでいる様子に、互いの遠慮のなさ、意志の疎通が表れているといえるだろう。
インタビュー記事を見れば一目瞭然で、インタビュアーの文字数が少なく、発言の均等なバンドがそうしたバンドだ。逆に一問一答状態になっている記事を見ると、そのインタビュアーの苦労が伺える。
1位:遅刻をする人がいない
意外かもしれないが、百発百中これが一番わかりやすく、バンドの先を左右する項目だと思っている。誰しもやむ終えない理由で、一度くらい遅刻することはあるだろう。けれど毎回誰かしら遅刻してくるメンバーのいるバンド、それどころかバンドごと遅刻をするバンド、ましてやすっぽかすメンバーのいるバンドは、その後なくなっている可能性が非常に高い。それがバンドの存続に直接結びつく訳ではないと思うが、バンドの向き合い方の温度差がそうしたところにも表れているのだろう。
たった半年前のインタビューで解散はないと断言していたバンドでさえも、そうした決断に至ることを思うと、そのきっかけとなりえる事象はいくらでも転がっており、活動を続けることの大変さというのを痛感した2015年だった。
もちろん解散理由の起因するところはそれぞれ異なり、ネガティブな要素だけが原因ではない。またここに書いたことはインタビュアーの力量やバンドとの相性にも寄る話ではあるが、万人に『いいバンドだね』と言われ活動を長く続けているバンドというのは、平均して誰から見ていてもいいバンドであるはずであり、どこかしら共通点があるだろう。そこで今回、インタビュアーの視点で寄稿を試みた。
今年も現在前線で活動しているバンドが末永く続けられるよう応援したい。