今年注目のアーティストを挙げたとしても、その翌年にはいなかったり、たった2年前のイベントのチケットを見返せばその半分近くが活動を終了していることから、今後どのバンドがブレイクする、また、絶対に解散しなさそう、いうのはとても言い難い状況だ。
だがインタビューをしていると、長く活動を続けているバンド、勢いのあるバンド、揺るがない絆を見せているバンドには少なくとも共通点がある。そこで今回は、ガイドの独断と偏見ではあるが、取材中の発言やそこで伺えるバンドの姿勢という、ステージングや音楽性以外の視点からヒントを得て、活動の良好なバンドに見られる特徴をランキングで紹介したいと思う。
10位:全員が作曲をできる
生まれも育ちも異なる人間の集まるバンドにおいて、メンバー全員の音楽の趣味が合致することは稀。好きな音楽とバンド活動で奏でる音楽の異なるメンバーも多くいる。その中で、メンバー全員が作曲をできる場合、バンドカラーを意識しつつもそこにそれぞれ自分の趣味を加え、自分を表現することで、先に述べた趣味とバンド活動での音楽との間に生まれるジレンマを比較的押さえることが可能。それは例えば取材の場などで互いの嗜好について理解を深めることにも繋がり、よく言われる『方向性の違い』が原因で離れ離れになることも少ないといえる。
また作曲のできるメンバーが多いと楽曲に幅が広がり、バンドとしても人を惹きつけるフックを増やすことになる。
9位:期日を守る
原稿チェックのお願いなどといった用件について、事務所スタッフまたはバンドと直接やり取りする中で、返事の早い必要はないが、期日をきちんと守るバンドを見ていると、その人自身のマメさもあるだろうが、業務がひとりのメンバーに集中していないことがわかる。
音楽活動においてライブをしている時間は全体の一部にすぎず、例えばスケジューリングやさまざまな手配などといった他の業務は、しっかり者のリーダーが一手に請け負う場合が多いが、互いに協力のもと、うまく役割分担されているバンドは『自分ばっかり』と卑屈になるメンバーもいなく、メンバー間の関係も良好。
8位:ボーカルが話せる
インタビューにおいて「話が下手でごめんなさい」と言われる方も少なくないが、話の上手い下手や話す量、社交性というのは取材においてはまったく関係ない。だが、やはり初対面の接触でもきちんとバンドや楽曲についてブレのない姿勢で話すことのできるボーカルのいるバンドは、やはり実際も頼もしいステージングを見せていることは間違いない。
大概のボーカルはライブで言葉を発する立場にいたり、他のパートに比べ自分の世界感というのを強く持っているのでしっかりとしているが、やはりボーカルはバンドの顔であることを踏まえると、その時々で言うことが異なったり自論のあいまいなボーカルには不安を覚える。
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