空き家となった町家を活用して店舗などに再生
先日石川県金沢市の空き家となった町家の利活用を支援するNPO法人金澤町家研究会の方にお話しを伺う機会がありました。新幹線が開通し多くの観光客でにぎわう金沢は、城下町として発展し戦災を免れたことから、歴史的な建築物や街並みを多く残しています。が実は、金澤町家は年間約100棟あまりが取り壊され、駐車場に転用されたり、新しいものに建て替わったりして、歴史的町並みが失われつつあるのだそうです。一方で住まいとしてはもちろん、ギャラリーやカフェ、ゲストハウスとして改修し、町家を利活用したいと希望する方々も増えてきています。特にカフェをやりたい20、30代の女性からの問い合わせが多いのだそうです。
そうしたことから、金澤町家研究会は、中心市街地にある空き家となった町家を住まい、店舗・事業所として再生することを目的に約10年ほど前に設立されたのだそうです。主な活動は金沢市からの委託を受けて、町家の持ち主、借り手・買い手に登録してもらい、それぞれの要望に合わせたマッチングで、町家活用の促進を図ります。
併せて、住まいだけではなく、工房や共同で住むドミトリー、ギャラリー等々、利用目的にあわせた改修の相談にものっています。
金澤町家研究会HPは→こちら
町家を維持・継承していく
また、金沢市では、金澤町家の維持・継承を目的とする外観の修復や内部の改修工事等に対する支援事業として「町家再生活用事業」を実施しています。例えば、住まいとして改修する場合、外部修復工事や内部改修・内装改修工事に補助率50パーセント、限度額150万円の補助を事業の一環として行っています。空き家の町家が工房兼ギャラリーとして若手工芸作家への貸家として再生
上記の写真は、間口2間の小さな町家を、外観、内部の特徴を生かした修復を行い、工房兼ギャラリーとして若手工芸作家への貸家として、金澤町家研究会により再生されたものです。
今回の事例は観光客でにぎわう金沢市街地の町家。私の親の家は地味な地方にあって、参考にはならないのでは?という声が聞こえてきそうですね。
でも、よく調べてみると色々な地域に空き家活用のNPO法人が誕生し、地域の事情に即した活動が徐々に始まっています。拙著「どうする?親の家の空き家対策」で紹介している尾道市、大牟田市の事例もあります。同じく拙著で紹介しているNPO法人空家・空地管理センターは、平成27年10月1日より空き家相談センターを順次、全国展開していくそうです。
ぜひ、あなたの親の家を有効活用すべく、こうしたNPO法人に一度アクセスしてみてはいかがでしょうか。