城壁外の聖パウロ大聖堂
ローマ4大バシリカ(大聖堂)の1つ、城壁外のサンパオロ大聖堂(サンパオロ・フオーリ・レ・ムーラ)は、聖ペテロとともにローマの守護聖人である聖パウロの墓をまつる教会です。城壁外という名前のとおり、他の3つの大聖堂(サンピエトロ、サンジョヴァンニ、サンタマリア・マッジョーレ)に比べて街中心部から離れているので、行きづらいイメージがありますが、地下鉄の駅から歩いてすぐなのでアクセスは簡単です。回廊、絵画館、考古学エリアなど見どころはたくさん、そして修道院グッズが充実したショップや、テラス席つきのカフェもあり、城壁外まで足を伸ばす価値は大です。2015年12月13日から2016年11月13日までは、いつくしみの特別聖年のため、通常は閉まっている聖年の扉が開いています。
聖堂内の見どころ
聖パウロ大聖堂の見どころはなんといってもモザイクでしょう。聖堂のファサード(記事冒頭写真)から内部まで、さまざまな時代のモザイクで飾られています。中でも注目したいのは、歴代教皇の肖像モザイクです。初代教皇聖ペテロから、266代目現教皇フランシスコまで、聖堂内上部に並んでいます。フランシスコの肖像は中央祭壇に向かって右上、スポットライトが当たっているのですぐにわかります。その右側、ヨハネ・パウロ2世とヨハネ23世の肖像には、両教皇が2014年に列聖されたことを受け、最近になって光輪(聖人の頭の後ろにおかれる光の輪)が付け加えられました。これらのモザイクは、バチカン市国内にあるモザイク工房で制作しています。聖堂の核心は、中央祭壇前の階段を下りたところにある聖パウロの墓です。大聖堂はこの墓を守るため、4世紀にローマ皇帝コンスタンティヌスにより建てられました。こちらは信者の方が祈りをささげる神聖なエリアになりますので、写真撮影は控え、静かに見学しましょう。
有料で見学できるエリア
中央祭壇に向かって右奥に、回廊入口があります。こちらは有料ですが、4ユーロ(学生、聖職者、10人以上の団体、65歳以上は割引2ユーロ)で回廊と絵画館、聖遺物礼拝堂、石碑ギャラリー、考古学エリアの入場が含まれており、お得です。回廊の途中に聖遺物礼拝堂と絵画館への入口があります。絵画館の一角は第2回バチカン公会議にささげられています。1959年1月25日、聖パウロの回心日に、この大聖堂で教皇ヨハネ23世が第2回バチカン公会議の開催を公表したからです。
順路に従って行くと、最後に石碑ギャラリーがあります。通路沿いに、大聖堂エリアで見つかった発掘品が展示されています。壁の上部にはイタリア語と英語で聖パウロの書簡からの引用が書かれています。
このギャラリーを出るとトイレ、ショップ、考古学エリア、カフェがあります。
修道院グッズが充実したショップ
聖パウロ大聖堂では、教皇グレゴリウス1世(590~604)の時代からベネディクト修道会の存在が知られています。聖堂見学後、出口に向かう途中にショップがあるので、ぜひ寄っていきましょう。お菓子からファーマシー系まで、修道院グッズが充実しています。Abbazia San Paolo f.l.m.(城壁外の聖パウロ修道院)のレベルがついているのは、オリジナル商品、ブランドマークは、聖パウロの殉教の道具である剣です。修道院グッズ以外にも、各国語ガイドブックや、ロザリオ、十字架、モザイクなど商品はバラエティに富んでいます。店の奥には「スペシャル・オファー・コーナー」があり、お得な割引商品が見つかります。お勧めは聖パウロの剣をプリントしたTシャツ(12ユーロ)、ちょっとロックっぽくてカッコイイです。
ショップの隣は考古学エリア(中世にさかのぼる修道院の遺跡)になっていて、回廊に入場した人は、チケットを入り口のスロットに挿入すると中に入れます。
見学のあとはカフェで休憩
出口近くにはカフェがあります。遺跡好きならばぜひテラス席で。考古学エリアの延長エリアでもあるので、4世紀にさかのぼる円柱の破片など眺めながらお茶ができます。
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■Basilica San Paolo fuori le Mura (城壁外の聖パウロ大聖堂/サンパオロ・フオーリ・レ・ムーラ)
住所:Piazzale San Paolo 1, Roma
開館時間:7:00~18:30
アクセス:地下鉄B線San Paolo駅より徒歩5分。駅を降りたらBasilica(大聖堂)と表示がある方向に進むと、大聖堂の鐘楼が見え、大聖堂の後方に出るので、前方に回り込みます。
注意点:肌を露出した服装では入場不可。入口でセキュリティ・チェックがあります。刃物など危険物は持ち込めません。