「お宝」の候補生?!切手貼りの年賀状
お手元にある年賀はがきを見て、切手貼りのものは何通あったでしょうか。1通か、2通あるいは0通だったという方も多いと思います。それだけ切手を貼られる年賀状は少ないのです。切手が貼られていたとしても、多くはその年の年賀切手の52円か、ソメイヨシノの52円でしょう。もしそれ以外の切手が貼られていたら、よりお宝切手になる可能性が高いといえます。「お宝」の仲間入りが確実視される封書年賀
切手貼りの年賀はがき以上に少ないのは封書年賀と呼ばれるものです。年賀郵便というと、郵便はがきを想像する方も多いと思いますが、実は封書も年賀扱いで送ってもらうことができます。明治の終わりから昭和の初めにかけて、名刺を封筒に入れて年賀状として送り合う文化がありましたし、今でも一部の業界や職業によっては、封書で年賀の挨拶をするのが一般的な場合もあります。詳細は専門書をお読みいただきたいと思いますが、封筒で出す年賀状はちょっとした珍品だという点はぜひ押さえておきましょう。昭和20年代後半から昭和30年代中頃までの封書年賀の中には、なんとヤフオクで数万円の値段がつくものも存在します。
年賀はがきに消印を押さない理由?!
ところで、なぜ郵便局の年賀はがきには消印を押さないのでしょうか。これには歴史的な背景があって、高度経済成長期に毎年のように年賀状の通数が増加していったことと、労働組合の要求もあって、1962年用の年賀はがきから原則として消印を省略することとなったのです。代わりに郵便局の年賀はがきには消印状のマーク(切手収集用語では一種のプリキャンセル)を入れるになりました。逆にいえば、1962年以降の年賀はがきにお正月の消印が押されたものは少ないので、うっかり断捨離の流行に乗って過去の年賀はがきを捨てては損をしてしまうかもしれません。
見えないインクで印刷されたバーコードを観察しよう
もっとも現在では消印の有無はあまり問題にならないのかもしれません。もし理科実験などに使うブラックライトをお持ちであれば、年賀状に印刷されたバーコードを観察してみてください(!人体に有害な殺菌灯の代用は不可!)。ブラックライトをお持ちでなくても、太陽光を上手く当てると、かろうじて観察することができます。これは郵便局で配達する順番に郵便物を並び替えるために、約20ケタの数字をバーコード化して印刷したもので、年賀状配達などの繁忙期にはとりわけ重要です。消印自体は省略されていても、バーコードの有無で年賀はがきの未使用・使用済は容易に判定することができます。
くぼみ入りの年賀状もあります
もう1つ珍しい年賀はがきをご紹介しましょう。一般にはあまり出回らないのですが、くぼみ入りの年賀はがきというものがあります。これは目の不自由な方のためのもので、はがきの表面左下部分に半円状のくぼみを入れ、はがきの表裏・上下がすぐわかるようになっています。全国の規模の大きな郵便局には在庫があるほか、自宅まで配送してくれるサービスもあります。次のページでは、2015年の喪中はがきのポイントについて見ていきたいと思います。