切手収集/切手収集入門

小さな切手展の愉しみとは?!(2ページ目)

切手展といえば、「全国切手展」や「全日本切手展」などの全国規模の切手展を想像するかもしれませんが、規模の小さな切手展もあります。地域に根差した切手展、専門特化した切手展などでは、全国規模の切手展ではあまり見られない通好みのコレクションも見られ、特有の面白さに気づくことでしょう。今回は規模の小さな切手展に焦点を当ててみたいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

ミニペックスに出かけよう!

ミニペックスとは(公財)日本郵趣協会が中心となって研究発表会として開催している専門切手展です。(公財)日本郵趣協会には、切手の収集ジャンル別に、中国切手部会、ドイツ切手部会、北欧切手部会などがあり、ほかにもさまざまな目的や切り口をもった収集家団体があります。それぞれの団体が切手の博物館(東京・目白)の展示スペースを利用して、定例で切手の研究発表会を開催しています。直近のミニペックスの開催予定については、コチラから確認することができます。
ミニペックスのギャラリートーク

切手の博物館(東京・目白)・ミニペックスのギャラリートークの様子。

専門特化した「ヨーロッパ切手展」

ミニペックスの一例として、2015年10月9-10日にかけて開催された「ヨーロッパ切手展」について見てみましょう。「ヨーロッパ切手展」は1840年から今日までヨーロッパで発行された切手を主題とする切手展で、毎回ヨーロッパの中でも特定のテーマ(地域・主題)を決めて開催しています。切手の本場であるヨーロッパをさまざまな角度から見つめ、ヨーロッパという地域についてそのつど新たな視点を持ち、ヨーロッパの切手の新鮮な驚きを見つけたいという思いから行われる収集家有志による切手展となっています。
「第3回ヨーロッパ切手展」の出品者・スタッフの記念写真

「第3回ヨーロッパ切手展」の出品者・スタッフの記念写真。筆者(ガイド)は右から2番目。

「第3回ヨーロッパ切手展」のテーマ

2015年はバルト三国の再独立25周年という節目の年でした。そこで「ヨーロッパ切手展」ではバルト三国のコレクションを展示する専門特化した切手展として展示することにしました。バルト三国とは、エストニア、ラトビア、リトアニアのことです。文化も言語もそれぞれ大きく異なりますが、両大戦間の期間に概ね1918年から1940年にかけて短い共和制国家を形成したこと、1990年に再独立を迎えた点で共通しています。そんな近現代史の動きについて、切手を通じて感じ取っていただきたいという趣旨で行いました。
「第3回ヨーロッパ切手展」の案内はがき

「第3回ヨーロッパ切手展」の案内はがき。

無料のパンフレットにも注目

ミニペックスでは、参観者の手引きとなるように、パンフレットを作成することになっています。パンフレットは無料配布する場合が多いのですが、50円~200円程度の有償配布となる場合もあります。「第3回ヨーロッパ切手展」ではA5サイズのパンフレットを用意して希望者に1人1部限りで無料配布しました。両大戦間の時代にリトアニアで発行された本物の切手を付録として付けたこともあり、用意した250部は大変好評いただきました。
「第3回ヨーロッパ切手展」で配布したパンフレット

「第3回ヨーロッパ切手展」で配布したパンフレット。付録に本物のリトアニア切手が付いていて、好評を博した。

次のページでは、専門特化した切手展をちょっとだけのぞいてみましょう!「第3回ヨーロッパ切手展」で展示された、バルト三国の展示作品のエッセンスをご紹介したいと思います。
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