今井翔の恋愛コラム/今井翔の恋愛情報

武装しすぎた男の結末。恋愛理論は学ぶな!

私の友人に、恋愛商材や書籍を読み漁り、『瞬時に異性と仲良くなって、恋愛関係になる』ということに特化したスキルを身につけ、実際に結果を出した男性がいます。しかし、ある時、彼がぽろりともらした一言に、ある気づきを得ることができ、パートナーシップについて深く考えさせられることになりました。

今井 翔

執筆者:今井 翔

恋愛ガイド

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同性から嫉妬されるほどモテる男性

すぐに恋愛関係になれた彼だが…

すぐに恋愛関係になれた彼だが…

「女性と恋愛関係になることに苦労しないんだ」
――これは、友人があるとき、バーで話しているときに漏らした一言です。多くの男性からすれば、“うらやましい限り”。事実、彼は周囲の男性から嫉妬されるほど、パーティーなどに行けば、彼の卓越したトークに女性が集まることが多くありました。

実は、彼はこれまで恋愛関係の情報商材や書籍を買いあさって研究し、実行し、結果を出してきたそうです。彼は、いつしか目の前の女性が、どのようなニーズを持っているのか、手に取るように分かるようになったらしいのです。

彼は、顔立ちやファッションに清潔感はありますが、とりたて収入や地位が人並みはずれて凄い、というわけではありません。あくまで女性が思わずキュンとしてしまうようなトークやスキルを駆使することにより、一瞬で仲良くなってしまうのです。

面白いことに、彼はその一瞬で仲良くなるスキルを用いて、仕事の受注もとても上手でした。もちろん、生まれながら“愛されキャラ”のような部分も持ちあわせているので、つい年上のクライアントは彼に仕事を頼んでしまうようでした。

ということは、このスキルを応用すれば、女性も意中の男性を落とすことができるかもしれません!?

恋愛理論を学びすぎた男の結末

しかし、彼はため息まじりに言うのです。

「でもね、本当の俺は愛されていないんだよ」

学んだスキルで望んだ結果を出しているにもかかわらず、彼は自分の恋愛に対して満足しているようには感じていないことが私にもすぐにわかりました。

彼曰く、目の前の女性がどういう言葉を求めているのか分かる。しかし、それを言ったところでそれは自分の本心から出た言葉ではない。同時に狙っている女性なので、嘘でもニーズのある言葉を言わずにはいられない……。

結果、恋人になったところで、それは本当の自分を好きになってくれたわけではないので、いつまで経っても満足感のある関係を築けない……ということでした。まさに、彼は仮面をかぶって恋愛をしていたのです。

「本当の自分を出すの怖く、真実を見抜かれるような女性が現れることを待っているのでは?」と私が告げると、はっとしたような表情で彼は「そうかもしれない」と言いました。

「でもそれはとても恐ろしいことで、そんな女性と向き合うことはできれば避けたい」とのことでした。


恋愛関係になるのと、パートナーシップを築くのは別

彼は恋人とケンカしたことがほとんど無いそう

彼は恋人とケンカしたことがほとんど無いそう

つまり、表面上の恋愛はうまくいく彼でしたが、深いパートナーシップを築くことはとても苦手分野だったのです。

パートナーシップを築くということは、仮面をかぶっていない裸の自分を異性にさらけ出すということ。それは残念ながら恋愛商材に載っているスキルを実行するというよりも、基本的なコミュニケーションの原則はありますが日常生活でぶつかりつつ、恋人とふたりで苦労して築きあげるものなのです。

傷つくことが怖い、という人にパートナーシップは築けません。恋愛関係は築けたとしても、必ずパートナーシップの手前でストップしてしまいます。

それは、「これ以上先に進むと、傷ついてしまう」というのが、自分で分かっているからです。事実、この友人は長期的に深く異性と付き合うことができていません。

ポイント:裸の自分でなければ、深い絆は築けない

その彼の目の前には、ふたつの道があります。

ひとつは、今のままで表面的な恋愛をし続け、むなしさを感じる日々を歩むという道です。もうひとつは、れまでの学びを大切にしながらも、より深いパートナーシップに進むという道です。

彼の学んだ恋愛理論は、あくまでパートナーシップ上の入口にすぎません。一時的には気分が高揚し、幸福感を得るような錯覚を覚えるかもしれませんが、さらに深い学びを得て、傷ついても本当の自分を出す! という道を選んだとき、きっと彼は心からの満足を得るのだと思います。

もちろん、彼は、自分がどっちを選びたいのか、すでに気づいているはずです。あとは、彼の選択に委ねられています。

今回の話は彼本人の許可を得てシェアをしていますが、今一度、私自身も気をつけようと思ったケースでした。私たちはつい知識やスキル、肩書きなどで“武装”をしてしまいますが、深い絆を目の前の人と築くために、できるだけ裸の自分を出すことを意識したいものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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