食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

冬が旬!カリフラワーの注目成分と使い方

緑黄色野菜が人気で、いまいち影が薄い淡色野菜。しかし、大事な栄養源であることは間違いありません。今回ご紹介するカリフラワーは、ビタミンCや硫黄化合物を含みます。新鮮な物は生でもいただくのもおいしいです。カリフラワーの栄養成分や、食べ方をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

カリフラワーの注目栄養成分「グルコシノレート」

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カリフラワーはアブラナ科の野菜。辛味成分の機能性が注目されています。

カリフラワーは、キャベツや大根などと同じアブラナ科野菜です。アブラナ科野菜にはグルコシノレート(辛子油配糖体)が含まれています。

グルコシノレートは、そのままでは辛くありません。細胞が壊されることで、ミロシナーゼという酵素によりグルコシノレートが分解され、イソチオシアネートが生成されて辛味が感じられるのです。

また最近は腸内細菌もこのミロシナーゼ活性を持っていることが明らかになり、野菜に存在するグルコシノレートが腸内細菌によってイソチオシアネートに変換されることがわかっています。

イソチオシアネートの機能性については、これまでに多くの疫学調査研究によってキャベツなどのアブラナ科野菜の摂取が、肺がんなどを抑制することが示されています。

この作用の多くは、キャベツから生成したイソチオシアネートが肝臓の解毒酵素を誘導し、発がん物質の毒性を低下させることによってもたらされるのではないかと推定されています。

イソチオシアネートは天然に100種類以上存在すると言われ、カリフラワーにはキャベツ、芽キャベツ、ブッコリーと同様にグルコシノレートが存在し、その種類にはシニグリンやグルコイベリン、プロゴイトリン、グルコラファニン、グルコナスツルティイン、グルコブラシシンなどがあります。

これまでの研究によるとブロッコリーのグルコラファニンから生成されるイソチオシアネートのスルフォラファンは、免疫利欲を高め、解毒に関与する反応を活性化する、抗酸化作用などがあるのではないかと推定されていますが、まだヒトでの有効性については検証が十分ではなく、今後のさらなる研究が期待されています。

緑黄色野菜人気で影の薄いカリフラワー

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ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせたロマネスコ。

カリフラワーはビタミンCをはじめ、葉酸やビタミンB6、ビタミンKやなどのビタミン類や高血圧を予防するカリウム、食物繊維など含みます。

カリフラワーは、キャベツやブロッコリーと同じく地中海沿岸原産のケールから分化したと考えられ、ケールの花(flower)から名前がついたといわれています。

明治初期に、ブロッコリーとともに日本に伝わりましたがあまり普及せず、戦後洋食が普及した1960年代に需要が高まり、各地で盛んに栽培されましたが、その後緑黄色野菜が人気になりブロッコリーの需要が高まると、カリフラワーは日陰の身のように人気が陰り、生産量も減少しました。

ブロッコリーと同等のビタミンCを含む

ちょっと面白いエピソードをご紹介しましょう。
緑黄色野菜なのでビタミンCが多いというイメージのブロッコリーは、生で120mg含み、カリフラワーは生で81mgです。しかし茹でたものを比較するとブロッコリーは54mg、カリフラワーは53mgとほぼ変わらないのです。

またアブラナ科野菜のスプラウトでビタミンC含量の多いものを比較すると、ブロッコリーや他のものよりもカリフラワーのスプラウトが1.4倍多いという報告もあります(九州沖縄農業研究センター)

ブロッコリーには他にもβ-カロテンなども含まれていますが、何かに優劣をつけるのではなく、偏ることなく色々なものを食べることがバランスの良い食事になるのだと思います。こう言う情報を知ることで、緑黄色野菜に限らず、淡色野菜など様々な野菜の魅力を知っていただけたらと思います。

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