終戦から70年。日中戦争・第二次世界大戦・太平洋戦争の歴史の流れはしっかりとおさえておくべし
2015年8月14日に、安倍晋三内閣総理大臣は「戦後70年談話」を発表しました。国内外のニュースで取り上げられ、大きな話題となりました。この「終戦から70年目にあたる節目の年」という巡り合わせは、次世代を生きる中学受験生にとっても非常に重要な意味を持つと考えられます。そのあたりのことも踏まえ、来年度入試では終戦とそれに至るまでの経緯について、出題される可能性が大きいと思われますので、しっかりと復習しておくようにしましょう。日中戦争や太平洋戦争に関する歴史上の出来事は、末尾奇数の年に重要なことが起こります。まず1931年に南満州鉄道爆破事件(柳条湖事件)が起こり、それが満州占領(満州事変)へと拡大していきます。国際連盟は事件の真相を明らかにするためにリットン調査団を派遣しますが、日本は構わず満州国建国を宣言(1932年)します。その後、満州からの撤兵勧告を受けた日本は、1933年に国際連盟を脱退、国際社会の中で孤立していきます。
1937年には盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が勃発、1939年には第二次世界大戦がはじまります。1941年には真珠湾攻撃・マレー半島上陸を皮切りに太平洋戦争がスタート、日本は泥沼の戦争状態に陥っていきます。そして1945年3月10日に東京大空襲、4月1日米軍の沖縄上陸、8月6日広島原爆投下、8月8日ソ連の満州侵攻、8月9日長崎原爆投下を経て、8月14日のポツダム宣言受諾(無条件降伏)に至ります。見事なまでの奇数並びでしょう。
上記以外にも覚えることはたくさんあります。1932年には犬養毅首相が暗殺された五・一五事件が、1936年には高橋是清蔵相が暗殺された二・二六事件が起こります。これによって軍部が独走していくことになるのです。1938年には国家総動員法が公布され、日本は戦争一色に染まっていきます。こうした血塗られた歴史を知ることも、中学受験に限らず日本人としてとても大切なことですよね。
日本の火山活動が活発化。これにからめて「地層」「化石」「大地の変化」の出題も
2015年は大地が大きく変動した年でもありました。2015年5月29日、鹿児島県口永良部島で大規模なマグマ水蒸気噴火が起きたことは人々の記憶に新しいでしょう。巨大な噴煙が立ち昇る様子をとらえたニュース映像が目に焼き付いている人も多いはずです。その他箱根の大涌谷では火山性地震が増加し、噴火警戒レベルがレベル3にまで引き上げられました。熊本県の阿蘇山や群馬県の浅間山などでも火山活動が一時活発化しました。2013年に大規模噴火した小笠原諸島西之島では、2015年現在でも溶岩流出は続いており、いまだに島が拡大し続けています。日本は太平洋をぐるりと取り囲む「環太平洋火山帯(環太平洋造山帯)」に属し、110個の活火山を持っています。これは世界にある活火山の7%にあたるといわれています。日本の国土が世界の0.25%(陸地のみ)しかないことから考えると、いかに日本に火山が集中しているかがよくわかりますね。
火山は地中深くのマグマが溶岩となって地表に噴き出す現象ですが、これと密接にかかわるのが地震です。最近の研究ではプレートと呼ばれる岩盤の動きが、地震と火山の両方に関わってるということがわかってきました。来年度の入試では火山と地震をからめた出題も予想されますので、「大地の変化」という大きなくくりで復習しておくようにしましょう。
日本人宇宙飛行士か活躍した2015年。皆既月食も観測され、「天体」分野の出題が予想される
2015年7月23日、元航空自衛隊パイロットの由井亀美也さんが、ロシアの宇宙船ソユーズで、国際宇宙ステーション(ISS)へと打ち上げられました。由井さんは2015年8月に打ち上げられた物資輸送船「こうのとり5号機(HTV5)」のISSへのドッキング作業も担当しました。また来年には元全日空パイロットの大西卓哉さんのISS滞在も決定し、今後も日本人宇宙飛行士の活躍が期待されます。2015年4月4日には「皆既月食」が観測されました。19時15分ごろから欠け始め、21時には地球の本影の中に月が完全に隠されました。完全に隠されたといっても、地球によって屈折した太陽光の一部が月を照らすため、月は赤銅色に輝いて見えます。皆既月食の時間はわずか12分。22時45分、食の開始から3時間30分の天体ショーは終焉を迎えます。次回皆既月食が観測されるのは2018年1月31日とかなり先になります。
天体分野は「知識編」「計算問題編」ともに出題のバリエーションが広いのが特徴です。さまざまな角度から出題され、かつ平易な問題から難問までバリエーション豊かですので、冬休みなどに少し時間を割いてじっくり復習すると良いでしょう。
時事問題で入試に出題されそうな話題はまだまだたくさんあります。2015年の重大ニュースをまとめた本はいろいろな出版社が出していますので、小学生向け新聞などとうまく組み合わせながら学習を進めてみてください。頑張りましょう!